サムスン、多数のヒンジでクルクル丸められるディスプレイを考案--特許取得

 久し振りに登場した新しいフォームファクターで注目されたサムスン電子の折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」だが、画面に問題が生ずるとして発売が直前に延期されてしまった。Galaxy Foldを調査したiFixitは、繊細なOLEDとホコリ侵入を許す構造がトラブルにつながったと分析している。

 Galaxy Foldの発売時期は目処が立たないものの、曲げられるディスプレイの応用についてはさまざまなアイデアが検討されている。たとえば、Samsung Displayはクルクル丸められるディスプレイの技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間4月30日に「ROLLABLE DISPLAY DEVICE」(特許番号「US 10,274,995 B2」)として登録された。出願日は2017年8月10日、公開日は2018年3月1日(公開特許番号「US 2018/0059727 A1」)。

公開されたSamsung Displayの特許(出典:USPTO)
公開されたSamsung Displayの特許(出典:USPTO)

 この特許は、曲げることが可能なディスプレイとプリント基板を組み合わせた表示デバイスに関する技術を説明したもの。ディスプレイなどを支持する部分には複数のヒンジが設けられ、各ヒンジが曲がることでさまざまな形へ変えられるようにしている。

多数のヒンジを設ける(出典:USPTO)
多数のヒンジを設ける(出典:USPTO)

 一部のヒンジだけを曲げると、クラムシェル型ノートPCやGalaxy Fold、レノボのプロトタイプ「ThinkPad X1」といった形態で使える。また、多くのヒンジをそれぞれ曲げると、巻物のように丸めてコンパクトにできる。

クラムシェル型にしたり、丸めたり(出典:USPTO)
クラムシェル型にしたり、丸めたり(出典:USPTO)

 特許文書では、こうした変形機構を実現させるのに必要な内部構造などが、細かく定義されている。

 なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。

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