富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は6月22日、デジタルでメモがとれる電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」の新モデルを発表した。同日より予約受付を開始し、7月8日より発売する。
同社のECサイトウェブマート価格はA5サイズの「FMVDP51」が4万9800円(税込)A4サイズの「FMVDP41」は6万9800円(税込)。
クアデルノは、本物の紙とペンのような「書きやすさ」と「読みやすさ」にこだわった電子ペーパーだ。あえてカラー化せず、カメラやスピーカはつけないなど、紙とペンという文房具を追求し、ノート、スケジュール帳、PDFビューワーなどの機能を持つ。2018年のリリース以来、ビジネスからプライベートまでさまざまなシーンで使用されているという。
開発を担当したFCCL コンシューマ事業本部 クアデルノ商品企画担当の松下季氏は、「紙のような書き心地、読み心地、感じ方のレベルまでこだわりぬいた製品」と自信を見せる。
FCCLの最軽量PCのノウハウなどを生かし、従来比約45%の軽量化を実現した。ネイビーとベージュの2色がラインアップする。サイズと重さは、FMVDP51が幅約173.2mm×高さ242.5mm×奥行き5.9mmで約261g。FMVDP41が幅約222.8mm×高さ301.1mm×奥行き5.7mmで約368g。
また新たにワコムのデジタイザ(EMR方式)を搭載することで、ペンのレイテンシーが約30%向上。曲線・斜め線もより滑らかに自然に書けるようになったほか、バッテリーレスペンとなったことで充電のストレスがなくなった。さらに、E Ink Japanの最新ディスプレイE Ink Carta 1250の採用。高コントラストになり見やすさが進化した。
プロセッサー・メモリーのパワーアップにより反応速度が約20%向上したほか、32GB (使用可能領域:約22GB以上)のメモリーを搭載。従来比約2倍のノート約20万冊相当分が保存可能になった。このほかにもスタイラスペンのカスタマイズ対応、ドキュメント一覧をサムネイル(表紙画像)で表示できるなど、細かいユーザーインターフェースも向上させた。
ドイツの人気筆記具メーカー「LAMY」とのコラボレーションにより、スタイリッシュな「ラミースタイラスペン」を新たにラインアップしている。
FCCL 執行役員副社長/COOの竹田弘康氏は、「オフィスから紙をなくしたい。会議で配布する紙をなくしたい。手書きのノートをなくしたいという思いで開発した。環境問題に加え、情報のセキュリティも重要な課題のひとつ。リモートワークが当たり前の時代、カフェで仕事をするときや在宅でもゴミの問題など、紙は情報漏洩のリスクになる」と説明。
まずは使ってみようとFCCLの経営会議で活用をはじめ、「役員の中にはもう後戻りできないという人もでてきている」という。「手書きの良さ、アナログのよさ、人が持っている本質的なニーズに対応し、パソコンやタブレットにないデジタルのよさを実現する。新しいクアデルノは2年半にわたって聞いてきた多くのユーザーの声、FCCLの思いがつまったもの」(竹田氏)と語った。
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