「人々にとって、自分の現在の地位を伝えることが非常に重要になっている。たとえ事実と異なっていても、『実は、自分は高い地位にいる』というサインを発したいと考えるようになった」(Bailey氏)
自慢をする人が皆、実際に裕福なわけではなく、裕福な人が皆、自慢をするわけでもない。
Luke Thompson氏は、英国に拠点を置き、超富裕層の人々を顧客に持つ評判管理会社Transmission Privateのパートナーを務めている。同社の顧客は、銀行預金に少し余裕があるだけではなく、資産が1億ポンド(約155億円)を上回るような人々だ。
「彼らは自分のプライバシーが尊重されることを望む。公にされることや、自己宣伝することは望まない」とThompson氏。「メディアの注目を集めたい人が多い有名人と異なり、彼らは多くの場合、プライバシーを非常に重視しており、メディアのスポットライトは浴びたくないと考えている」
同社は、ソーシャルメディアで反発を招かないように振る舞う方法について、アドバイスを提供している。そのアドバイスの多くは、できるだけ慎重に行動するというものだ。具体的には、アカウントに鍵をかけることや、誰が自分をフォローしているか確認すること、ソーシャルメディアで共有していいものとしてはいけないものに関するルールを家族全員で把握しておくこと、「いいね!」やリツイートを押す前によく考えること、利用できるプライバシー設定をすべて活用することが推奨されている。
Thompson氏によると、これらの対策を講じるべき理由の1つは、同社が2019年初頭に収集した調査データと関係があるという。その調査では、回答者の25%が、富を誇示することは、自分が考える「成功した裕福な人」のイメージの妨げになると感じていることが分かった。
このカテゴリーに属する一部の著名人にとって、「どんな形であれ注目されることは、全く注目されないよりもずっといい」という古い格言は必ずしも当てはまらない。好ましくない話は将来に有害な影響を及ぼすだけでなく、投資家や政治家などとの今後の関係やパートナーシップに悪影響を与えるおそれもある、と同社は警告している。
Thompson氏によると、見せびらかさないというルールが当てはまらないと思われる例もあり、それは、富が慈善目的に使われている場合だという。
富が慈善行為に使われる場合は一般の人々に好意的に受け止められるというこの考えは、注目に値するかもしれない、とTeer氏は考えている。きっかけがパンデミックであれ、社会的不公正に対する抗議であれ、この1年間で人々の優先順位は大きく変わった。
「数年前なら、富や名声への向上心を大いに刺激するコンテンツと言えば、友人の日本での冒険旅行の投稿だったかもしれない」とTeer氏。「今では、有名人や全く知らない人、ブランドが体系的な不公正に直面しているコミュニティーにどのように対応したのかを伝えるコンテンツが、それに当てはまるのかもしれない。パンデミック下では、思いやりの気持ちを示すことが、裕福さを示す新たな指標ととらえられるようになっている」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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