Mate X2は、ファーウェイが折りたたみ式スマートフォンに挑んだ3回目の試みに当たり、今回はそれがうまくいったように思える。Mate X2では、サムスンの製品を参考にして設計を全面的に見直し、2020年モデルの「Mate Xs」のような外折り式に代わって、内側に折りたたむ方式を採用した。外折り式だと、ポケットに鍵やコインが入っている場合に常に損傷する危険性があった。
2面ディスプレイを採用したことには明らかなトレードオフもあり、Mate X2は厚く重くなっている。片手で快適には扱えず、筆者が習慣にしているハイキングに持ち歩くにも不便だった。ただし約295gという重量感を緩和するため、ファーウェイはドアストッパーのようなくさび形を採用するという、うまい対策を考えた。カメラモジュール側を最も厚くし、4.4mmの反対側までだんだん薄くなっていく構造で、端末の重心が厚みのある側に寄っているのである。
設計の見直しでもうひとつ鍵になったのが、折りたたんだときにティアドロップ形になる新しいヒンジで、これによってディスプレイを閉じたときの隙間が少なくなった。この構造の内部には、ジルコニウムベースの液体金属が使われており、ファーウェイによると、従来モデルで使われていた「Falcon Wing」ヒンジの2倍の強度があるという。
Mate X2の外側ディスプレイは、基本的にフルサイズのスマートフォンだ。6.45インチOLEDパネルを採用し、ピル形のノッチに2つの前面カメラが収納されている。ディスプレイの解像度は2700x1160ピクセル(456 ppi)なので、サムスンのGalaxy Z Fold2より画質は高いことになる。画面がこれだけ広いと、日常的なタスクには外側ディスプレイだけでも十分で、メールを書いたり長い記事を読んだりするときでも内側ディスプレイは開かずに済んでしまう。これは、米CNETのJessica Delcourt記者が、もっと縦長の形をしたGalaxy Z Fold2で遭遇した問題だった。外側ディスプレイ上のキーボードが小さすぎて、入力操作が不自由だったのだ。Mate X2でそう感じることはなかった。
本当のお楽しみは、Mate X2を開いたところから始まる。大画面好きなら、特にそうだろう。模範的な内側ディスプレイにつぎ込まれたエンジニアリングの見事さには、感嘆を禁じえない。開くとタブレットサイズのディスプレイになり、どこにもノッチはない(折り目もほぼないと言えるだろう)。90Hzのディスプレイは鮮やかで、動きも滑らか、反応も申し分ない。
ディスプレイ上の折り目は、特定の角度にしたとき以外、ほとんど気づくことも感じることもなかった。つまり、折り目は見つけようとしなければ分からないということで、ほとんど気にならなかったと言える。筆者は、「Android」の画面分割モードを使って2つのアプリを並べて実行するのが気に入った。マルチタスクに理想的で、タブレットサイズのディスプレイで仕事ができるのは夢のようだった。
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