シーズは、ユニット曲である「OH MY GOD」をライブで初めて、そしてフルバージョンで披露。シーズは「スパイシー&ガーリーなダンスポップユニット」とあり、K-POPやヒップホップがイメージされるようなダンスミュージックにのせてパフォーマンス。イントロでのシルエットから、2人がお互いに手でタッチしてから歌いだす姿や指を鳴らす音に合わせたポーズ、長い髪をなびかせながら全編にわたってのスタイリッシュなダンス、静かにすることを示すような口元に指を当てる仕草など、何もかもが様になる光景となっていた。
1日目は冒頭のトークで2人揃って緊張していると語る場面もあったが、そういった様子は微塵も感じさせないほどのパワフルな歌声とダンスで、楽曲も相まって“圧巻”や“魅惑”“魅了”という言葉が思い浮かぶようなステージに。2日目はさらにエンジンがかかったと思えるパフォーマンスで、歌い終わったあとは場内から大きな拍手が送られていた。
全員が再登場し、「Multicolored Sky」を歌う。1日目はここで一区切りとなっていたが、2日目においてはアイドルマスター15周年記念曲である「なんどでも笑おう」を、シャイニーカラーズとしてライブ初お披露目。思わぬサプライズとなっていた。
アンコールをうながす拍手や各種告知を経て、3rdライブツアーを彩った衣装「ユナイトバースプラネタリ」に着替えたメンバーが勢ぞろい。「Color Days」を歌ったのち、ラストナンバーとなったのは「Resonance+」。2日目のときにはツアー最後の曲とあってか、より気持ちの入った歌声となっていたが、終盤には一様に声が震えたと感じさせる場面も。そのとき、会場後方の壁面にはレーザーライトで描かれた「ツアーおつかれさまでした!」の文字が、わずかな時間映し出されていた。そんなサプライズメッセージを受け取りつつ最後まで歌い切り、ツアーを締めくくった。
キャスト陣のトークでは“よりいいもの”“より進化”という言葉がいくつも聞かれ、なによりツアーの集大成という意気込みが伝わるもので、ツアー公演通じて同じ曲が歌われ続ける内容となっていたが、それゆえに感じるユニットでの絆が深まっていると感じるところや、曲に対する印象や感じ方の深みみたいなものもあり、同じ曲でも同じようにならないのがライブと感じられる場面もしばしばあった。そうしたなかで新たに加わったシーズも十分魅力的かつ鮮烈な印象を残すもの。7色となった283プロダクションの輝きが存分に現れ、行く先が楽しみと思えるライブとなっていた。
また余談ではあるが、筆者お気に入りのアイドルが桑山千雪で、ユニットがアルストロメリアということを踏まえてみても、印象的だったところは多々ある。「定着している」と「定着してない」の境界線上を突き進むアルストロメリアの挨拶であったり、会場が千雪の出身地である山口県に近い場所ということが話題になっていたこととか、2日目の5月30日は気が付いたら“甜花ポイント10倍デー”になっていたこととか、1日目では冒頭に芝崎さんが「ちかっぱすいとーよ」と挨拶したほか、後述するソロ曲「Darling you!」の披露や「SSRプロデュースアイドル【ハッピー・アイ・スクリーム】桑山千雪」の発表もあって、千雪がお気に入りのプロデューサーさんにとって1日目は“千雪ポイント10倍デー”と思えるぐらいインパクトの大きい1日と思えたことなどあるが、まずは「3人そろったアルストロメリア」だろう。
ひとつ前の東京公演2日目では芝崎さんが不在で、黒木さんと前川さんによる大崎姉妹のアルストロメリアとなっていたのは記憶に新しいところ。この公演のトークのなかでも、3人だと安心感があるということ、そしておそろいの指輪を付けていることも話されていた。こと1日目の「ダブル・イフェクト」において、より笑顔で伸び伸びと歌っている印象を持ったのも、単にステージを重ねたことによる経験以上に、3人で歌えることの喜びがあったと思えたところだ。
また、数を重ねるごとに“深さ”を感じる「Anniversary」でも、黒木さんが甘奈として歌うときの想いを込めて語りかけるように歌う姿や、前川さんが甜花として歌うときの“お姉ちゃん”としての心強さが感じられる歌声があったうえで、芝崎さんが千雪として2人を支えるような歌声があると、それがより鮮明に感じられるのは2人でのステージを見ていたからこそ。なにより、芝崎さんのソロパートにある“贈る ひとひら”のときの、手の振りや真っ直ぐな目と穏やかな表情で紡がれる声には“落ち着き”と“支え”を感じられるとより思えたところだ。
そしてもうひとつは、千雪のソロ曲「Darling you!」のライブ初披露だろう。芝崎さんは、これまで数々のステージでまとったアルストロメリアの初期衣装であるウィッシュフルリリーで登場。ジャズ風、あるいはビッグバンド風の曲調にのせて、ステージ上をゆっくり歩きながら歌声を届けていた。右手でハートを作ったり、人差し指でリボンをイメージするような円を描いたり頬に付けたり、間奏ではスカートを少し広げてポーズを取ったり、客席にいるプロデューサーさんに向かって手を振ったり……と、曲調では大人な雰囲気がありつつ、随所に千雪らしいと感じられるような、小ぶりな振り付けで歌っていたのも印象的なところ。
後のトークのなかで芝崎さんは、この曲についてはサプライズを考えるうちに自分も楽しくなる歌であること、そして芝崎さん自身も同じ気持ちで迎えられたこと、終盤の挨拶では、2人のいいところを取り入れた「Darling you!」を歌ったと語る。そんな「3人でアルストロメリア」の想いをのせつつ、人のために何かをする、そしてたくさんの人を笑顔にしたいという千雪の人柄を感じさせる、そして歌詞にある“キミ”を楽しませることを考えているうちに千雪も楽しくなるという姿を体現するような、芝崎さんの楽しそうな笑顔と優しい歌声がとても心に残るステージだったと思えた次第だ。
本公演について、両日ともASOBISTAGEでのアーカイブ配信を期間限定で実施。配信チケットを購入することで視聴することが可能となっている。当初告知されていた期間から変更となっており、期限は6月8日23時59分までの予定(チケット販売は告知通り6月7日12時まで)となっている。また、3rdライブツアーの映像商品化(Blu-ray)の発売も告知した。
今後の展開についても発表。ゲーム関連では、シナリオイベント「アンカーボルトソング」や「期間限定 飛び込んで、純白のあわい 千雪・円香スタンプガシャPlus」を開催している。
また、プロデュースシナリオ「283プロダクション ユニット単独ライブ『Landing Point』」に、「アンティーカ」のプロデュースシナリオを近日追加予定。さらにグレードフェス、コラボフェスに次ぐ第3のフェス「フェスツアーズ」の開発も告知している。
このほか、シーズによる楽曲「OH MY GOD」のフルサイズ版の先行配信が開始。福岡公演でお披露目した描き下ろしイラストを使用した開催記念商品の発売を行っている。
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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