発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するDAIZは5月25日、米国・ボストンに100%子会社となるDAIZ USAを5月1日に設立したと発表した。
米国では、成長著しい植物肉市場にスタートアップや大手食品メーカーの新規参入が相次いでいるという。しかし、それら取り扱う植物肉の原料には、搾油後の大豆かす(脱脂大豆)やデンプン抽出後のえんどう豆などが使用され、風味や食感に対する違和感と加工工程におけるコスト増(添加剤使用やマスキング処理)が大きな課題になっている。
同社が開発・製造するミラクルミートは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」により、原料段階で食肉の風味や食感を再現し、低コストで加工できるという特徴がある。同特徴により、ミラクルミートは北米市場においても競争優位性があると判断。米国子会社を設立することになった。
同社は、約2年前からジェトロ・ニューヨーク事務所と丸紅の協力を得て、米国における植物肉の市場調査を実施していたという。
DAIZ USAを設立する米国マサチューセッツ州ボストンのCIC(Cambridge Innovation Center)は、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)などの世界トップレベルの大学が近接。スタートアップ・大企業・政府機関・研究機関などが集積するバイオテック・フードテックのメッカともいえ、営業拠点のみならず、研究開発の拠点としても最適だと判断しているという。
DAIZ USAでは、北米における戦略的拠点として機能することを目指し、米国における市場調査や顧客開拓を進め、植物肉原料の研究開発や生産拠点開設に向けた情報収集を開始する。
また、世界最大の植物肉市場である北米でミラクルミートを供給するため、2022年には米国内にミラクルミートの生産拠点設立を目指す。
さらに、日本発でグローバル展開を目指すフードテックとして、日本・北米に次いで中国・ASESAN地域への事業展開の準備も進めているという。
同社によると、独自技術を強みにグローバルにおいても更なる事業拡大を図り、新しい食文化「植物肉」の普及を通じて、タンパク質危機の解消・SDGsの達成・サステナブルな社会の実現に寄与していくとしている。
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