高知県日高村は5月24日、Society 5.0の実現に向け、公的サービスの質向上や地域のコミュニケーション活性化に取り組む「村まるごとデジタル化事業」の推進を目的に、KDDIおよび、チェンジと包括的連携協定を締結したと発表した。
日高村は、高知市内から16km、車で約30分のところに位置する人口約5000人の村。少子高齢化による人口減少で、地域を担う人材の不足、地域サービスの質低下、コミュニティの崩壊などが懸念されているという。
これらの課題をデジタルの力で解決するため、日高村ではSociety5.0社会に適応できる村づくりに取り組む「村まるごとデジタル化事業」を掲げ、同事業の一環として、スマートフォンの普及促進活動や防災・健康・地域通貨・メッセンジャーなどのアプリの利用促進を実施。2021年度中に、日高村住民のスマートフォン普及率100%を目指す。
まず、スマートフォン未利用住民約1100名に対し、auショップ出張販売やスマートフォン教室を開催(新型コロナウイルスの感染状況を注視した上で開始時期を決定)。関連アプリのインストールもサポートし、普及促進を図る。
防災分野では、防災や国民保護情報の提供により、災害情報をいち早く得られる環境づくりのほか、防災マップ(避難所やハザードマップ) 表示・安否確認機能を通じた防災意識および、安全意識の向上を目的に、高知県が提供する「高知防災」の利用を促す。
健康分野では、KDDIの「ポケットヘルスケア」の利用を通じ、健康情報(歩数・体重など)の記録による健康活動の記録と意識向上と、運動や健康活動の実施でインセンティブ(地域通貨)を発行し利用促進を行う。また、将来的には取得した健康活動データをもとに、社会保険費削減の根拠にする予定という。
地域通貨では、ポケットヘルスケアやスマホ普及事業で獲得した地域通貨の利用基盤としてトラストバンクの「chiica」を提供。取得した地域通貨を利用することで、地域経済の活性化を目指す。
メッセンジャーでは、「LINE」を利用し、日高村のLINE公式アカウントからリアルタイムでの情報を発信。また、利用する村民同士のメッセージ交換、無料通話によるコミュニケーションの活性化を図るという。
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