Appleは米国時間5月19日、多くの新たなアクセシビリティー機能を発表した。「Apple Watch」「iPhone」「iPad」のユーザー向けに、2021年内に提供を開始するという。また、聴覚障害者が手話通訳を介してAppleのサポート担当者とやり取りできる新たなサービスを、20日から米国、英国、フランスの店舗とオンラインで提供することも明らかにした。
Appleが開発した新機能の1つ「AssistiveTouch」は、上肢を切断するなどして片方の腕しか使えないユーザーが、Apple Watchをディスプレイに触れることなく操作できるというものだ。この技術は、特定のジェスチャーによる手や手首の筋肉、腱の動きを検知することで、Apple Watchを操作するもの。今秋リリースされるとみられる次期バージョンの「watchOS」で提供される予定だ。
また、周囲の騒音や刺激が強すぎる環境が苦手な人のために、「Background Sounds」という機能が導入される。これは、小川のせせらぎのようなサウンドをiPhoneやiPadのバックグラウンドで再生することで、周囲の音からくる刺激を軽減し、集中力や落ち着きを保てるようにするものだ。たとえば、カフェで仕事をする時に、このサウンドで周囲の音をかき消すことが可能になる。
さらにAppleは、補聴器を使用している人、目の見えない人や弱視の人をはじめとする、特別な支援を必要とする人に向けた複数の新機能を導入する。なお、今回の発表は5月20日の「Global Accessibility Awareness Day(GAAD)」に合わせて行われたため、次の開発者会議のおよそ3週間前、およびAppleのモバイルデバイスの次期モデルが市場に投入される数カ月前のタイミングとなった。新機能の内容を華々しいイベントの基調講演まで伏せておく傾向が強いAppleにとって、このようなタイミングでの発表は珍しいものと言える。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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