働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」を提供しているチームスピリットは4月22日、バーチャルシンクタンク「イノベーション総合研究所」を始動。同日付で、同研究所の初期研究として実施した「ウィズコロナ時代の働き方」に関する意識調査の結果を公表した。対象は全国で正社員として勤務する25~64歳の1132名(男性780名、女性352名)。調査期間は3月2~4日で、インターネットリサーチによるもの。
「現在の業務がジョブディスクリプション(職務記述書)に役立つ業務であること」を意識しているか、については「特に意識していない」が最も多く43.6%、「役立つ業務であるかは意識せず取り組んでいる」が28.1%となり、ジョブディスクリプションを意識せず働いている人が71.7%を占めた。一方で、少なからずジョブディスクリプションに役立つ業務であることを意識して取り組んでいるとの回答は、28.3%にとどまっている。
3年後における自身の「稼ぐ力」についての質問では、「現状維持・低下」との回答が74.2%。一方、「高まっている」との回答は25.8%存在し、特にジョブディスクリプションを意識して業務に取り組んでいる人は「稼ぐ力」が高まっていると答えた割合が、54.7%となった。自身のキャリアを意識して業務に取り組んでいる人は、自身の収入を増やすための働き方を意識しているという結果が得られたという。
「あなた自身が働きたいと考える会社の条件」についての質問では、「ストレスが少ない」が40.0%と最も多く、続いて「心理的安全性が保たれている」が35.7%、「一緒に働きたいと思えるメンバーが多い」が35.1%の結果となった。「自身の成長」「会社への貢献」「意思の尊重」「キャリアアップ」といった他者からの承認・自己実現的な要素は、トップ3の心理的な安全・社会的要素を下回る結果としている。
「今の会社で働く目的のうち最も当てはまるもの」については、「生活のため」が55.7%となり半数を超える結果に。一方、「自身の成長・キャリア形成のため」といった自身の成長を動機とする回答は合計15.8%、「社会課題を解決するため」「業務にやりがいがあるため」といった業務遂行自体を動機とする回答は、合計11.1%にとどまったという。
コロナ禍以前と現在における社内外での「コミュニケーション頻度」につき「社外の人との有意義なコミュニケーション頻度が減った」の回答が55.6%、「社内メンバーとのコミュニケーション頻度が減った」の回答が51.3%と、「コミュニケーション頻度が減った」と回答した割合がいずれも過半数を占めた。
所属企業の従業員数別では、大企業(1000人以上)社員の方が、中小企業(999人以下)社員よりも10ポイント以上がコミュニケーション頻度が減ったと回答している。
コロナ禍の前後における業務の無駄を省く意識の変化については、1000人以上の大企業に勤める人は、そうでない人に比べ業務の無駄を省く意識が11.6ポイント高く、大企業社員の方が「業務の無駄を省く意識が増加」傾向があるとしている。
イノベーション総合研究所は今回の調査結果から、積極的に自身の成長に取り組んでいる「積極・成長層」が一定数存在する半面、大半のビジネスパーソンは現状の働き方に追従する「安定・成熟層」もあり、働くことへの意識に対して、両者の間には二極化と言えるような大きなギャップがあると指摘。個人と組織の潜在能力を引き出す打ち手として、「働くことへのストレスの緩和」「組織が社員に期待することの明確化と実効的な目標設定」「コミュニケーションのための時間づくり」の3つを提言している。
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