飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ」を開発・販売するトレタの子会社であるトレタCCは4月15日、飲食店の電話予約をAIで自動受付する「トレタ予約番」の提供を開始すると発表した。
トレタ予約番は、飲食店にかかってきた電話を、AIが自動で24時間365日対応するサービス。新規の予約を自動で受け付け、予約/顧客台帳サービストレタへの自動配席・登録が行える。また、予約者に予約確定時のSMS配信にも対応する。
個室希望の確認のほか、希望日時に空席がなかった際の別時間のリコメンドも可能。トレタ予約番で受け付けした予約であれば、日時や人数の変更・キャンセルの対応も行える。
また、時間帯ごとに店舗への転送のオン・オフにも対応。これにより、営業時間中であっても臨機応変に予約対応をAIに任せることが可能となる。その際、予約者が店舗への電話の取次を希望した場合には、AIから店舗への転送も可能。
転送の際には、AIが予約者情報や予約日時などを音声で伝えるため、受電した飲食店スタッフは、予約者に同じ質問を繰り返すことなくスムーズに対応できるという。
加えて、転送と同時にトレタ上でも予約者情報が表示されるため、すぐに追加情報をトレタに反映可能。
さらに、上位サービスである「トレタ予約番 CAエスカレ」では、同社の電話受付業務に特化した高いスキルを持つCA(コールエージェント)が、転送された電話応対を代行。AIとCAによって、店舗の電話対応を大幅に削減しながらも、人による柔軟な対応を実現する。
同社によると、トレタ予約番を先行導入(2020年12月の1カ月間に営業時間外の電話対応)した外食企業(都内5店)では、1168席の予約を受け付け、人件費をかけることなく約600万円の追加売上に貢献できたとしている。
別の外食企業(関西エリア7店)の実証実験(2021年3月1日〜14日/18〜20時実施)では、トレタ予約番が578件の電話を一次対応。うち287件の予約受付を完了し、262件は取得した要件情報とともに店舗への引き継ぎ対応となった。
トレタに蓄積された約1万店のデータを分析すると、全予約に占めるオンライン予約の割合は1〜2割程度であり、半数以上は電話予約になるという。オンライン予約の日時変更やキャンセルを電話で行うことも多く、飲食店の現場では日々電話対応に追われている。
2020年に実施した調査では、飲食店にかかってくる電話うち、予約獲得に繋がる電話は約3割、約4割が既存の予約の変更やキャンセル、残りの約3割が予約に関係しない問い合わせという内訳で、全体の7割が売上アップに寄与しない電話だと判明した。
また、営業時間外の着信は33%で、営業時間内にかけ直す比率は10%程度と、営業時間外の機会損失は小さくない。トレタ予約番の導入により、こうした営業時間外の受電を取りこぼすことなく、予約を獲得が期待できるようになる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」