新型コロナウイルスのパンデミックが始まって1年以上が経過し、「Zoom疲れ」という概念が広く浸透している。Zoom疲れとは、間に合わせのデスクの前に座って、画面上の自分と同僚の顔を見続けるビデオ会議で1日を終えた後の、過剰な疲労感のことだ。スタンフォード大学の研究者らによって、 Zoom疲れを引き起こす要因の一部が既に特定されているが(過剰なアイコンタクトや、その場の空気を視覚的に読み取るためにより多くのエネルギーが必要になることなど)、同大学の新しい研究により、女性の方が男性よりも、Zoomなどのビデオ会議の後に疲労を感じる傾向がはるかに高いことが明らかになった。
Social Science Research Network(SSRN)が米国時間4月13日に公開したこの研究結果では、この1年間のビデオ会議サービスの利用による疲労感の個人的な違いを理解するために、1万人以上を対象に2月と3月に調査を実施した。その結果、Zoom会議後の疲労感が「とても高い」か「極度に高い」と回答した人の割合は、男性では20人に1人(5.5%)だったのに対し、女性では7人に1人(14%弱)だった。
この違いの主な理由は、心理学者が「自己注目」と呼ぶものの高まりにあるようだ。自己注目とは、自分の外見や会話における印象に対する自己意識のことで、カメラに映る自分の姿によって引き起こされる(研究者らは、これを緩和するために自分のカメラをオフにすることを推奨している)。この研究によると、男性も女性も1日あたりの会議回数は同程度だが、女性の方が会議時間が長い傾向にあるという。また、女性は会議の間に休憩をはさむことが少ない傾向にあるとされ、それも疲労感の増加につながっている可能性がある。
研究者らは性別以外に、性格のタイプ、年齢、人種によってZoom疲れの度合いが異なることを発見した。外向的な人は内向的な人よりも、また穏やかで精神的に安定している人は神経質な人よりも、ビデオ会議後に感じる疲れが少ない傾向にあることが分かった。若い人は年齢が高い人よりも疲れを感じる傾向が高く、有色人種は白人よりも、やや疲れの度合いが高かった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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