東急不動産は4月6日、広域渋谷圏戦略の新コンセプトとして「未来シェアリング」をスタートしたと発表した。第1弾として桜丘地区の開発エリアに、さまざまな企業と連携した事業開発のプラットフォーム「ニュートラル・イノベーション・ベース」(NIB)を開始する。
東急不動産では、2017年にスタートアップと100のサポートやビジネスの創出を行う「SHIBUYA スタートアップ100」プロジェクトを開始。シリコンバレー発のスタートアップ向けアクセラレーションプログラムの運営企業である「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」の開業や、スタートアップ共創施設「GUILD」などを渋谷エリアで展開してきた。2021年3月に活動目標として掲げていた100のチャレンジを達成している。
未来シェアリングは、東急不動産が広域渋谷圏における、起業、アイデア創発、コミュニティ連携を促す取り組みのコンセプト。NIBは、起業支援、新規事業発足支援のための施設となり、参加者は運営者、利用者、貸主、借主といった従来の関係ではなく、お互いが中立的な観点で意見を出し合い渋谷のこれからを考えるイノベーション基地としての役割を担う。
すでにアカツキ、貝印、cinra、東急不動産、FIREBUG、MIRAI-INSTITUTE、社団法人渋谷未来デザイン、LOOHCS、令和トラベルが参加企業に名を連ねており、創業113年目の貝印から、4月に起業したばかりという令和トラベルまで、多種多様な企業が集う。
東急不動産 都市事業ユニット都市事業本部長執行役員の鮫島泰洋氏は「不動産事業は、現在転機を迎えている。オフィスの空室率が上がり、撤退や縮小といった報道もされているが、東急不動産が東急と実施した経営者インタビューでは、65%を超える企業が『渋谷でのオフィスは現状維持または増床』と回答しており、これは、渋谷の街が持つ『文化の発信力』『多様な方々が集まり、先端の価値観が共有される場の魅力』、そして何より『創業・起業の息吹が感じられるエネルギッシュさ』に魅力を感じていただいている結果と考えている。今までは物件を貸して収益を得るという関係だったが、今後は一緒に事業を成功し、バリューを共有していく関係を構築していきたい。渋谷に集う企業同士が横に連携して価値を創出し、新たな未来を創造していく。それが未来シェアリングのコンセプト」と話した。
東急不動産では、業種や枠組みを超えた事業を積極的に誘致し、未来への可能性を共有しながら、事業成長を支援していく計画としている。
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