東急不動産が「SHIBUYAスタートアップ100」を開始--Plug and Playも参画

 東急不動産は10月27日、東京・渋谷でスタートアップと共創する「SHIBUYAスタートアップ100」を開始すると発表した。「100のサポート・ビジネスの創出」を目的に、インフラ、資金、交流・事業開発の3つの支援を展開していく。


左から、Plug and Play Japan代表取締役のPhillip Seiji Vincent氏、東急不動産取締役専務執行役員都市事業ユニット長の岡田正志氏、Liquid代表取締役の久保康弘氏、東急不動産都市事業ユニット事業戦略部統括部長の黒川泰宏氏

「SHIBUYA100スタートアップ」。ラウンジ

 SHIBUYAスタートアップ100には、米シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタルPlug and Playの日本オフィス「Plug and Play Japan」が参画。道玄坂にコワーキングスペースとシェアオフィスの「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」(Plug and Play Shibuya/東京都渋谷区道玄坂1-10-8渋谷道玄坂東急ビル1階)を11月1日に開設するほか、アクセラレーションプログラム「Plug and Play JAPAN Program」を実施する。

 Plug and Play Shibuyaには、デスクゾーン、ラウンジ、会議室、イベントスペースなどを備え、面積は211坪。使用料はサービスオフィス会員が10万円、アドレス会員が5万円、シェアワークプレイス会員が2万円(いずれも月額)になる。ビルの1階に作ったことで、外からも見やすく、入りやすい環境に仕上げたという。

 東急不動産の取締役専務執行役員 都市事業ユニット長の岡田正志氏は「SHIBUYAスタートアップ100は、これから東急不動産がスタートアップと共創していく拠点になる場所。魅力的なスタートアップを渋谷に集め、企業の成長に寄り添い、支えることで、渋谷を刺激的、魅力的な街にしていきたい」と思いを話した。

 Plug and Playは、2006年に米シリコンバレーに設立。毎年150社以上の企業に出資した実績を持ち、DropBoxやPaypalといったユニコーン企業もサポートしてきた。

 9月に設立したPlug and Play Japanの代表取締役であるPhillip Seiji Vincent氏は「取り組んでいないテーマはほとんどないというほど、多くのスタートアップを支援してきた。大企業とスタートアップを結びつけるサポートをしており、日本にも30社を超えるパートナーがいる。日本のスタートアップを海外にも紹介するほか、海外のスタートアップを日本に紹介していきたい」と役割を話した。

 東急不動産では、インキュベーション施設「ビジネスエアポート」を運営するほか、生体認証技術を使った決済サービスを手がける「Liquid」、リノベーション事業を展開する「gooddayホールディングス」などスタートアップ企業への出資も実施。これまでもスタートアップ支援に取り組んできた。SHIBUYAスタートアップ100は、これら個別のサービスを統合するとともに、今までなかったサービスを新設し、速く、広くスタートアップを支援する施策になる。

 資金面では、東急不動産ホールディングスによる「TFHD Open Innovation Program」と、東急不動産の「SHIBUYA Innovation Program」の2つのプログラムを用意。投資規模は合計で50億円としている。

 東急不動産の都市事業ユニット事業戦略部統括部長の黒川泰宏氏は「SHIBUYAスタートアップ100は、2020年の再開発とその先に向けた取り組み。1〜2人からスタートした企業が大きく成長し、成功を収める環境を整備したい」とスタートアップ支援と渋谷の関係についても触れた。

 SHIBUYAスタートアップ100、ビジネスエアポートなど、スタートアップ向けのコワーキングスペースを提供するほか、渋谷・神南にある築48年のオフィスビル「ASIAN BUILDING」をリノベーションし、7月に開業。一定の条件により、通常よりも低い敷金設定にしたほか、内装の原状回復を免除するなど、スタートアップ企業が入居しやすい体制を整える。

 渋谷は2000年前後にITベンチャーが多く集まっていた場所。東急不動産では、渋谷を中心に、青山、表参道、恵比寿、代官山までを含める地域を“広域渋谷圏”と位置付け、街づくりを推進していく方針だ。


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