Facebookとグーグル、同じビジネスモデルでも異なる視点--2つの論争から考察

Ross Rubin (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部2021年04月08日 07時30分
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 FacebookとGoogleは、消費者の幅広い行動やそこから推測される消費者の属性に基づき、高度にターゲティングされた広告を企業に販売するという、共通の基本的なビジネスモデルを有している。それでも、われわれが2社に抱くイメージには大きなギャップがある。

FacebookとGoogleのウェブサイト

 その理由の1つは、2018年のCambridge Analytica事件をはじめとするFacebookを襲ったようなスキャンダルがGoogleにはなかったことだろう。さらに、YouTubeとGoogleを関連付けて認識する人があまり多くないことも、Googleの立場を有利にしている可能性がある。実際にはGoogleの子会社であるYouTubeは、多くの偽情報問題と戦っている(一方、Facebookの子会社であるInstagramは、HBO Maxが最近配信した批判的なドキュメンタリー作品「Fake Famous」にもかかわらず、親会社ほど負の評判を受けていないようだ)。

 だが、こうした印象を一旦洗い流し、最近の2つのいざこざに対する両社の対応に基づいて判断したらどうなるだろう。「2つのいざこざ」とは、オーストラリア政府がプラットフォーム企業に対し、記事使用料に関する報道機関との交渉を強制しようとしていることをめぐる戦いと、Appleの広告識別子(IDFA)を利用するのにユーザーによるオプトインが必要になったことへの対応だ。

 オーストラリア政府との戦いでは、GoogleとFacebookはいずれも政府に対し、交渉を強制する法案が可決されれば同国でのサービスに影響が出ると警告した。Googleは、同国での検索サービス提供を停止せざるを得なくなると警告し、Facebookはプラットフォーム上での同国メディアによるニュースの表示を遮断すると警告した。だが、Googleは実際にはサービスを停止せずに政府と和解した一方で、Facebookは和解に至る前に実際にプラットフォーム上でニュース記事をブロックした。

 IDFAに対するアプローチでは、2社はさらに対照的だ。FacebookもGoogleも、顧客である広告主に対し、Appleのルール変更の影響についてのアドバイザリーを発表した。ただし、GoogleはIDFAの使用を回避する道を選んだ。この選択は、iOSを管理しているのはAppleであり、同社の動きは広告の侵襲性を制限する傾向の最新の例にすぎないという理解が広まっていることを示すものだ。オプトインについて強制力のある法律を求める声が高まる中、これらの動きは当局に好意的に受け止められるとみられる。実際、Googleは「iOS」の変更を、ウェブで起きている変化と同じだと見なしている。Googleはウェブで、サードパーティーのクッキーを廃止しようとしている。同社のクッキーに代わる施策であるプライバシーサンドボックスは、企業のファーストパーティーデータに一層の重点を置いている。

 対象的に、Facebookの最高経営責任者(CEO)、Mark Zuckerberg氏が最近、Appleの変更に耐えられると語ったにもかかわらず、同社はAppleの行動に抗議し、有力紙に批判広告を出し、Appleの行動が中小企業に害を及ぼすと主張する広範な広告キャンペーンを開始した。同社は「良いアイデアには発見される価値がある」と主張する広告も製作した。一見、消費者に力を与える態度のようだが、実際には中小企業寄りのものでもある。同社がAppleを提訴しようとしているといううわさもある。

 Facebookが実存的な脅威であるかのように反応している同じ課題に対し、Googleはなぜ受け流せるのだろうか。その理由の1つはおそらく、Googleが初期に行った賭けのお陰で、同社はFacebookよりも安全な立場にあることだ。Facebookには、Facebook、Messenger、Instagram、WhatsAppという4つの巨大サービスがあるが、Googleは「Android」と「Chrome」で、こうしたFacebookのサービスの土台となるレベルを制御している。Facebookにとっての最大の悪夢は、AppleがiOSと「Safari」で行ったのと同様のトラッキング規制を、GoogleがAndroidとChromeで実施することだろう。もちろん、Googleがそうする可能性は低い。同社は消費者がトラッキングを初期設定で有効にすることで大きな利益を得ているのだから。

 とはいえ、Googleはここ数年、エンタープライズ分野、特に個人情報の収集が地雷原になりかねない教育分野で、より中心的な役割を果たすための取り組みを強化してきた。コロナ禍のパンデミックは、「Chromebook」と広範なグループ管理機能も相まって、さまざまな点でGoogleにとっての装甲になっている。同社は、かつてないほどにMicrosoftと直接競合する手強いプラットフォームになりつつある。広範囲な分野に賭けてきたGoogleの歴史において、Chromebookとグループ管理機能は、広告主導の検索事業よりも未来を体現するようになるのかもしれない。検索事業はこれまで同社の成長を後押ししてきたが、規制当局から監視の目を向けられてもいる。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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