飲食店などの空席をワークスペースとして提供する「ワークスルー」は3月31日、月額5400円でコワーキングスペースとして使い放題になるサービスへとリニューアルしたと発表した。約80店舗のレストランなどが使える。
ワークスルーは、ソフトバンクの新規事業提案制度「ソフトバンクイノベンチャー」を使い、立ち上げたサービス。2020年6月にベータ版を開始した。
元々は、営業担当者としてアポイントの合間にカフェを使うことが多かった加々本雄太郎氏が、カフェは混み合っていて座る場所がないのに、隣のレストランは空いていることを目の当たりにし、始めたサービス。レストランのアイドルタイムをワークスペースとして使用できれば、営業担当者などに外で使ってもらえると考え、始めたという。
しかし、新型コロナ感染拡大を受け始まったテレワークの影響により、想定ユーザーが拡大。「飲食店をワークスペースとして利用したいユーザーは一般に広がっていった」と事業責任者を務める加々本氏は話す。
当初は、15分ごとの従量課金制度を採用していたが、テレワークの増加により、利用が長時間化。「1時間程度を想定していたが、ユーザーの方にお話しを聞いてみると2時間半から3時間程度、がっつり使いたいという人が多かった。そうした声に応えるため使い放題プランを採用した」(加々本氏)という。
現在80カ所用意されているスペースは、カフェやレストランをはじめ、カラオケボックス、ホテル、ネットカフェなどさまざま。個室スペースもあり、オンラインミーティングなどにも使える。各スペースには電源とWi-Fiを完備。さらに多くの拠点ではドリンクが無料で提供されるなど、ワークスペースとしての環境を整える。
スペースを貸し出す事業者は、空きスペースの貸し出しにより新たな収益源を確保できるほか、料理などのクーポンを配信でき、商品の注文促進にもつなげられる。5400円の月額プランに加えて、初回限定の1週間お試しプラン(630円/7日)や、1日プラン(1000円/1日)、法人向けプランも用意している。
「スペースを貸し出す事業者の方には、運用が難しそうなどのお声をいただくこともあるが、店舗には専用のQRコードを設定していただき、アプリで読み取るだけでチェックイン、チェックアウトが完了。一度導入していただければ、簡単さが伝わると思う」(加々本氏)とのことだ。
現在、東京、神奈川、千葉、埼玉にて展開しているが、今後数カ月で名古屋、大阪にも展開していく計画。また福岡でのサービススタートも視野に入れており、2021年中に250店舗まで増やしていく予定だ。
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