「iPad Pro」の2020年モデルが登場したのは、1年が過ぎてなお続いているこのコロナ禍が始まって間もない、2020年3月中旬だった。アップグレードの時期が近いと言えそうだが、2021年モデルでは何が加わってどう変わるのか。チップが新しくなり、「Thunderbolt」ポートが採用される可能性があるという最近の報道を踏まえると、まず考えられるのはプロセッサーとアクセサリーだろうか。
2020年モデルは、プロセッサーも大きくは変わらず、2018年モデルとの差があまり感じられなかった。ただし、新しい技術とアクセサリーは導入されている。Apple製品としては初めて、深度を感知するLiDARセンサーを搭載したほか、トラックパッドの付いた「Magic Keyboard」ケース(価格はエントリーレベルの「iPad」並み)も登場した。
最近の「Mac」は、Appleの「M1」プロセッサーによってパフォーマンスが劇的に向上した。M1プロセッサーは既に、iPad Proに搭載されているチップの上位版という感じがする。
2021年は、iPad Proシリーズのプロセッサーを強化するには絶好のタイミングと思われ、実際、最近の報道もそれを示唆している。といっても、iPad Proに搭載されるのが、最近のMacと同じM1になるのか、それとも「A14X」のようなカスタムプロセッサーになるのかは、まだ確かではない。また、次期iPadではアクセサリーの接続方式も変わり、USB-Cから、見かけは似ているが性能の高い「Thunderbolt」ポートになる可能性もある。ディスプレイも、アップグレードすべき時期はとうに過ぎている。筆者の予想は、以下のとおりだ。
iPad Proのディスプレイは素晴らしいし、120Hzのリフレッシュレートは、「iPhone」や他のiPadにはまだ採用されていない。だが、OLED(あるいは、当面の間はミニLED)への移行は、機が熟しきっているように感じる。iPad Proがグラフィックデザイナーやフォトエディターなど、最高クラスのディスプレイを求めるユーザー向けである以上、なおさらだ。
誤解のないように言っておくと、2020年モデルのiPad Proに搭載された「A12Z」プロセッサーも、十分高速であることは間違いない。だが、ベンチマーク上では、2018年モデルに搭載されていた「A12X」プロセッサーからそれほど高速化しなかったので、チップのアップグレードは当然、期待されている。「A14Z」または「A14X」プロセッサーが登場する可能性はある。最近のiPhoneや「iPad Air」で採用されているチップに、グラフィックコアを追加するなどの機能強化を加えたものだ。あるいは、「MacBook Air」で採用済みのM1を使う可能性もある。M1という選択肢は明らかに思えるが、対象をタブレットに絞ってチップをカスタマイズすることも考えられる。Macに特化したM1の機能は不要なので、それを省くのだ。
プロセッサーがどちらになるとしても、最終的にパフォーマンスは上がることになる。では、その目的はどこにあるのか。筆者の希望としては、既にiPad Proは十分高速なので、マルチタスク機能を強化する方向に進んでもらいたい。あるいは、セカンドモニターの真のサポートもいい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」