iPad ProとiPad AirでUSB-Cポートが採用されたのは、「Lightning」からの大きな進歩だった。標準のUSB充電アダプターに対応するうえ、マルチポートアダプターに接続すればSDカードを使ったり、モニターやEthernet接続を追加したりもできる。
それでも、Macと比べるとiPad Proでできることには制限がある。Thunderboltになれば、外部ストレージは拡張性が広がって高速になり、モニターや多機能なドックとの接続性も向上する。
そうなると、Apple製の新しいアクセサリーも期待できそうだ。
iPad Pro用の折りたたみ型キーボードケースは、2020年の「iPadOS」アップデートで追加されたトラックパッドのサポートを生かしている。次のiPadでThunderboltを採用すれば、Appleは独自のiPad Pro用ドックを開発しようとするかもしれない。筆者も数年前に、「iPadがデスクトップコンピューターに早変わり」式のアクセサリーを想像したことがあった。iPad ProとiPad Airに対応するKensingtonの「StudioDock」では、USB-C仕様のiPadが、十分な数の追加ポートを備えたデスクトップデバイスに変わりうることが示された。果たしてAppleは、Thunderboltベースで独自の開発を試みるだろうか。
iPadは5Gに対応していない。今のところ、だ。2020年に発売されたiPhoneが5Gに対応した以上、iPad Proが次の候補になるのは妥当だろう。ノートブックに関してはLTEさえ採用していないAppleだが、iPadにはその選択肢が初代から用意されていた。とはいえ、筆者の地元はまだ5Gが完全には整っていないし、iPadではモバイルデータ通信はあまり使わず、付加的なオプションにとどまっている。
最近の報道によると、Appleは新型の「Apple Pencil」を準備している可能性があるという。考えられるのは、今よりコンパクトになり、タッチベースのコントロール(あるいは、新しいペン先)が追加されるなどだ。第2世代のApple Pencilが登場したのは2018年で、iPad用のスタイラスには既に分断が見られる。iPadのモデルごとに、第1世代と第2世代のApple Pencilのサポートレベルが異なっているからだ。
iPadは、横向きで使うとビデオ会議に適していない。前面カメラが片側の端に付いているので、会話中の視線があらぬ方向を向いてしまうからだ。次のモデルでAppleが前面カメラの位置を変えることはありえるだろう。仕事も学習も、自宅でする機会がかつてなく増えており、その場合はiPadを横向きにして使うことが多い。Magic Keyboardでも、iPadは横向きが前提になっている。
iPad ProにM1プロセッサーを搭載することになった場合、AppleはiPadのソフトウェアをさらに発展させるのかという疑問も出てくる。M1搭載のMacBook AirとiPad Proを並べて使ってみて、iPadのOSの限界に気づかされた。iPadのマルチタスク機能とモニター対応がさらに充実したら、より一層、一人前のコンピューターらしくなるだろう。トラックパッドやマウスなど、多くの周辺機器に対応するようになったのだから、そうなってもいいのではないだろうか。
次期iPadに筆者が最も望むのは、ハードウェア面のアップグレードではない。現在のMac並みに多機能になるソフトウェアが登場することだ。この春でiPadとMacの溝がそれほど埋まることはないかもしれないが、いつかそうなることは、やはり期待したい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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