仮想現実(VR)ゲームの没入感を高めるため、リアルな映像を見せるVRゴーグル以外のデバイスが開発されている。たとえば、触覚フィードバック機能を備えるベスト「Hardlight」「TactSuit」やスーツ「Teslasuit」、VRゲーム内の動きを再現する椅子「Yaw」などがある。なかには、風を感じられるゴーグル用アクセサリ「ZephVR」といったものも存在する。
これに対し、Appleは停止状態でも動いているように感じられる足用ウェアラブルデバイス向け技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間3月16日に「HAPTIC OUTPUT DEVICES」(特許番号「US 10,945,484 B1」)として登録された。出願日は2018年4月25日。
この特許は、足を包むような形状のウェアラブルデバイスに振動機能を持たせ、その振動パターンを制御することで仮想的な移動感覚を生じさせる技術に関するもの。振動は、圧電素子や電磁アクチュエーターなどのデバイスを使って起こす。
足の裏や甲に振動を与える振動デバイスは、碁盤の目状に配置する。そして、非対称のノコギリ波(鋸歯状波)信号を印加して振動を発生させることで、動いていないにもかかわらず移動している感覚を装着者に与えられるという。
ウェアラブルデバイスの形状としては、靴下や靴が考えられる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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