Appleが自社製デバイスに新しいプライバシー規則を適用するのを阻止するよう、複数の団体が求めていた件で、フランスの競争監視当局Autorite de la concurrence(ADLC)は現地時間3月17日、この訴えを退けた。Appleの次期ソフトウェアアップデート「iOS 14.5」では、さまざまなアプリやウェブサイトをまたいだ広告追跡を許可するかどうかを、ユーザーに尋ねることになる。ADLCは、Appleの新しい規則がユーザーのプライバシー保護に寄与する可能性があることを示唆した。ただし、Appleが自社の利益のためにこの規則を利用していないかについて、調査を続けるという。
今回の動きにより、AppleがモバイルOS「iOS」で予定している新しいプライバシー機能の中で特に議論の的となっているものの1つが、各当局に承認される可能性がさらに高まった。2020年に発表されたこの新しい規則では、広告目的で複数のアプリまたはウェブサイトをまたいでユーザーを追跡する場合に、アプリ開発者がユーザーの許可を得ることを求めるものだ。Appleはこの機能を、数週間のうちにリリースが見込まれているiOS 14.5に組み込む計画だ。
電子フロンティア財団などのプライバシー擁護派はこの計画を支持したが、特にFacebookはこれに反発した。同社は2020年末、この機能に反対するPRキャンペーンを開始し、Appleの不公正な慣行だとする主張に注目を集めようと、米有力紙に全面広告を掲載した。Facebookは、Appleの新しいポリシーを「プライバシーよりも利益のため」だとし、潜在顧客にリーチするためにFacebookの広告ターゲティングに頼る小規模企業を阻害すると述べていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」