Googleの新しい99.99ドル(約1万900円)のスマートディスプレイ、「Nest Hub」は、前の2機種のスマートディスプレイと同じように、「Googleアシスタント」によるスマートホーム操作と、現在の市場で特に素晴らしいディスプレイの1つが融合されている。前面カメラを搭載しないため、そのカメラによるメリットは得られないが、セキュリティとプライバシーの心配もない。ただし、過去のモデルと異なり、新しいNest Hubは手を振る動作などの物理的なジェスチャーに反応することができる。この機能は、カメラを搭載した大型モデルの「Nest Hub Max」でもサポートされているが、新型Nest Hubではさらに進化している。
新しいNest Hubは、ユーザーの睡眠サイクルを追跡して、身体の動きや寝返り、夜中に起き上がっていたことなどを記録し、そのデータを分析および集計して、睡眠レポートにまとめる。バッテリーで動くウェアラブル機器は必要ない。カメラも一切不要だ。これらの新機能では、カメラの代わりに、より高度なテクノロジーが使われている。Googleが「Soli」と呼ぶ小型のレーダーチップだ。
Soliは2019年の「Pixel 4」で初めて市場に登場したが、反応はあまり芳しいものではなかった。しかし、Soliを使用することで、Nest Hubは周囲の環境をカメラよりも正確に検知できる可能性がある。不安定な環境光など、カメラを悩ませる厄介な視覚的問題の影響を受けないからだ。
本記事では、機能や仕組み、開発の原点など、GoogleのSoliについて分かっていることを詳しく見ていく。3月30日に米国などで発売予定の新型Nest Hubを購入しようか検討している人のために、この新しいデバイスに期待できる機能も紹介しよう。
「Apple Watch」やFitbitのフィットネストラッカーなどのウェアラブル機器が人気を博しているとはいえ、実際のところ、睡眠追跡はまだそれほど浸透していない。どれほどエネルギー効率に優れたアクティビティートラッカーでも、ある時点で再充電が必要になることが、その理由かもしれない。そして、睡眠時ほど充電に適した時間はないだろう。しかしながら、その睡眠の質ほど、私たちの活力から気分まで、あらゆるものに広範な影響を及ぼすものは、他にほとんどない。
夜間のアクティビティーを追跡するために、新しいNest HubはSoliチップを使用して近くの動きを検知し、入力を分析して、ユーザーが何をしようとしているのかを判断する。ベッドに入ろうとしているのか、ぐっすり眠っているのか、あるいは、起きようとしているのか、といった状態を判断するのだ。さらに、マイクや温度センサー、光センサーを使用して、咳やいびき、睡眠を阻害するその他の要因(室内の温度の変化や睡眠に影響を与える不規則な光など)も記録する。Googleは、Soliの分析と実績ある臨床グレードの睡眠トラッカーを比較して、Soliが他の睡眠アクティビティー追跡方法よりも優れているとまでは言わないまでも、同じくらい優秀だったと報告している。
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