その代表的な例の1つが、Googleの元幹部であり、モバイルOS「Android」の生みの親でもあったAndy Rubin氏に対するセクハラの訴えについて同社がとった対応だった。Rubin氏は2014年に退職したが、Googleは退職金の一部として9000万ドルを同氏に支払っていたと、The New York Timesが2018年10月に報じたのである。
この報道をきっかけに巻き起こったのが、「Google Walkout for Real Change」だった。2018年11月、Google従業員およそ2万人が抗議のため路上に集まったストライキ運動だ。このストライキで組織員のひとりだった、元Google従業員のMeredith Whittaker氏は、本記事内の動画で米CNETにこう話している。「テクノロジー業界で、今日までに見られた最大の労働運動だった」
Whittaker氏や、「Thanksgiving Four」と呼ばれた4人(「Fired Five」という数え方もある)を含めて、特に批判的だった何人かの従業員が解雇または退職に追い込まれた。これを受けて、社内で今後も闘争を続けていくには労働組合を結成するのがベストだという結論に達した、とAWU副会長のShaw氏は説明している。
Shaw氏によると、目下のところ組合が第一に注力しているのは従業員と話すことであり、経営陣との定例的な団体交渉を急いではいないという。ただし、「従業員が声をあげられる場を作り出す」ためであれば、喜んで経営陣と協力するとも語った。
Googleで人事を統括するKara Silverstein氏は、米CNETに対し、従業員を支えられる、やりがいのある職場を作るべく、Googleは懸命に動いているとしたうえで、こう述べている。「言うまでもなく、当社の従業員は保護された労働者の権利を有しており、それは当社も尊重している。だが、これまでと変わらず、当社は従業員との直接の対話も進めていく」
労働運動の気運に直面している巨大テクノロジー企業は、Alphabetだけではない。アラバマ州ベッセマーでは、Amazonの従業員グループが独自の労組結成を目指している。従業員は、小売業界の労働組合であるRetail, Wholesale and Department Store Unionに参加するかどうかを、3月末までに投票で決しなければならない。開票は米国時間3月30日に始まる予定だ。
「われわれは、テクノロジー業界で(労働者の)組織化を進める必要がある。テクノロジー企業が、中核的な社会制度に及ぼす影響力は、とてつもなく大きいからだ。今必要なのは、社会正義のため、そして日々の生活の糧を得るために闘い、その2つが分かちがたいものだと気づけるだけの、大胆で包容力のある形に(AWUを)変えていくことだ」(Whittaker氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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