ニチレイと西日本電信電(NTT西日本)は3月8日、オフィスにおける食事提供サービスの可能性検証に向けたテストマーケティングを開始すると発表した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オフィスでの食事提供は、日ごとの需要の増減やフィジカル・ディスタンスを確保したオペレーションや喫食場所の確保など、さまざまな問題がある。
また、ニチレイの調べでは、オフィスでの昼食においては「購入から食べ終わるまで短時間で済ませたい」や「日々のワークスタイルに合わせた時間帯に食べたい」というニーズが上位に挙がっているという。
しかし、食堂を導入する企業では、在宅勤務による従業員の出社数減少に伴い、提供メニューや提供数を減らすなどの縮小運営あるいは、運営停止をせざるを得ないケースがある。加えて、出社を必要とする従業員の食事へのニーズを満たすことや、安定的な食事の提供を通じて従業員の健康維持を支えることは、各企業にとって課題となっている。
そこで両社は、オフィス需要に応じ、多様な手段で需要予測に基づく効率的かつ、食品ロスにも配慮した食事提供サービスとして「cooliya(くうりや)」のテストマーケティングを開始する。
今回のテストケースでは、おいしさを保ったまま長期に保存が可能な冷凍食品を、非対面かつ、いつでも購入が可能な自動販売機にて提供する方式を採用した。
なお、テストマーケティングは、利用者属性や立地環境の異なる、NTT西日本のオフィスビルなど5カ所に「cooliya」専用自動販売機を設置。購買頻度や採算性、商品補充の効率性などからビジネスの可能性を検証する。期間は、2021年3月〜6月を予定。
また、テストマーケティングにおいては、ニチレイが食嗜好分析システム「conomeal(このみる)」を活用した利用データ解析と、食品ベンダーとの協業による商品供給を担当。
NTT西日本が、各種運営システムの構築と、購買データ活用による需要予測に基づく効率的な供給網の検討を担当する。
今後は、テストマーケティングの結果をもとに、利用頻度や採算性などからビジネスの可能性を見極めた上で、cooliyaの事業化を検討。将来的には、利用者の嗜好に合った食のレコメンドに加え、需要予測に基づく効率的な供給網の構築などを検討するという。
さらに、cooliyaのオフィス向け以外での展開などを進め、個人が食べたい時に食べたいものを多様な手段で提供する新たな食提供スタイルの実現を目指す。
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