オンライン薬局「ミナカラ」を運営するミナカラは3月3日、セイノーホールディングス傘下の濃飛西濃運輸と、石川県白山市の物流センター内に調剤薬局を共同開発し、2月より稼働を開始したと発表した。
同社は、2015年より東京都内の自社の保険調剤薬局を通じて、一般消費者に薬剤師による対面および、オンラインを活用した服薬指導・健康サポートと、医薬品などを提供している。
薬剤師による対人業務では、一般用医薬品の販売を通じた情報提供や、服薬指導などの医療用医薬品の提供に関する業務に対応。また、日常生活中の健康相談にオンラインを活用して対応している。
加えて、薬剤師による宅配や当日に入手可能となる即時配送など、速やかに医薬品などが提供できるように、物流面の実証事業や取り組みも行ってきた。
今回、物流面の更なる強化を図るべく、「セントラル調剤薬局」構想を掲げ、濃飛西濃運輸の物流センター内に調剤薬局の許認可を取得し稼働を開始した。
同社によると、セントラルキッチン(集中調理施設)のように、医薬品供給を一手に引き受けることで、利用者による物流体験の向上やサプライチェーンの連携強化、調剤・ピッキング・梱包・配送の品質と生産性の向上といった構造的な進化を目指しているという。
例えば、物流センター自体を調剤薬局とすることで、配送時間の短縮(即時配送など)、品質の高いピッキング・梱包、健康相談だけでなく、物流面も含めたスムーズなカスタマーサポートの提供が可能になるという。
将来的には、ドローン配送などの新たなラストワンマイル体験の提供につながる拠点としても想定する。
さらに、製薬企業の製造工場が多数ある北陸に拠点をおくことで、リードタイムの短縮・コミュニケーションの強化を図っている。中長期的には、利用者の多いエリアごとに「セントラル調剤薬局」を設け、ラストワンマイルの配送手段を増やしたり、配送速度を上げたりする取り組みを行うという。
同社では、物流のプロフェッショナルと協業することで、品質と生産性の向上するほか、一般的な小型店舗以上の規模化を図ることで、中長期的には対物業務へのロボット・AI導入等の投資を行いやすくし、品質と生産性の向上を狙う。
今後は、薬剤師が医療機関のDIセンターのようにチームとなって活動することで、患者がいつでもどこでも薬剤師のサポートを受けられる体制とし、患者体験を向上させながら薬剤師が対人業務でより価値を発揮できる取り組みを行うという。
中長期的には、「ミナカラ」以外の医薬品卸や製薬企業や薬局が「セントラル調剤薬局」を活用したいときにBPO的に提供することも視野に入れており、今回をモデルケースとして全国への水平展開を図る。
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