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ハウスが新規事業、キッチンカーで外食支援、遊休地活用--「街角ステージweldi」

坂本純子 (編集部)2021年03月03日 19時47分
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 ハウス食品グループ本社は3月3日、新規事業としてキッチンカープラットフォーム「街角ステージ weldi(マチカドステージウェルディ)」を開始したと発表した。

 街角ステージweldiは、飲食事業者と遊休地を持つスペースオーナーをつなぐキッチンカーのプラットフォームで、飲食事業者のキッチンカーの導入から運営までをトータルでサポートするサービスだ。2019年9月より事業可能性の調査検証をしており、事業のさらなる成長が見込めることから、ブランドを設定し、正式に提供することにしたという。

キッチンカープラットフォーム「街角ステージ weldi(マチカドステージウェルディ)」のしくみ
キッチンカープラットフォーム「街角ステージ weldi(マチカドステージウェルディ)」のしくみ

 初期費用は無料で、ハウス食品の製品を使うといった制限もない。キッチンカーのレンタルは週1日〜、契約期間は3カ月〜。出店には、食品衛生責任者の資格を所有していることなどいくつかの条件がある。1日の費用は、売り上げの25%+5000円、仕込み場所(新宿区にあるセントラルキッチン)を利用する場合は35%+5000円。販売場所の提供者には、ハウス食品グループ本社から売り上げの8%が支払われるレベニューシェアを基本としたビジネスだ。

 従来からあるオフィス街のランチ需要に加え、在宅リモートワークも増えている。そうしたことを背景に、新宿や青山一丁目、馬喰横山などオフィス需要があり居住者もいるエリアを中心に、まずは東京23区内で展開する方針だ。

東京・西新宿にある音楽スタジオ「スタジオノード新宿」の一角で展開
東京・西新宿にある音楽スタジオ「スタジオノード新宿」の一角で展開

 これまで、キッチンカーサービスには、キッチンカーの購入/レンタルにかかる多額の「費用」や調理をする仕込み場やキッチンカーを設置する販売スペースなどの「場所」、契約や事務作業にかかる「時間」など3つの大きなハードルがあった。街角ステージ weldiはこれらを一気通貫で提供し、最短で2週間で開始できるという。法人・個人問わず、初期費用をかけずに必要最小限の人件費で外食事業を始められる。また、高さ3m、幅3.5m、奥行1.5mのキッチンカーが入るスペースを提供することで、スペースオーナーとして空きスペースの活用もできる。

シーフードパエリア弁当800円(税込)。シーフードパエリアに2品好きなおかずが選べる
シーフードパエリア弁当800円(税込)。シーフードパエリアに2品好きなおかずが選べる
左側にある大きなパエリアの写真が入った看板までハウス食品グループ本社が無料で用意するという。レジは各店舗で準備する必要がある。スペインクラブはキャッシュレスに対応している
左側にある大きなパエリアの写真が入った看板までハウス食品グループ本社が無料で用意するという。レジは各店舗で準備する必要がある。スペインクラブはキャッシュレスに対応している

 コロナ禍で厳しさが取り沙汰されている飲食業界だが、実は労働人口の減少や家賃の上昇などさまざまな要因で2017年から倒産件数が高水準にあったという。ハウス食品グループ本社 新規事業開発部の渡邉裕大氏は「“食”の会社として新たな事業を始めることが社会命題」とし、渡邉氏自身がキッチンカーをレンタルして場所を借り、カレーや魯肉飯などの販売を通して新たな飲食店のあり方を探ってきた。そこでわかったことは、キッチンカーのレンタルや場所の交渉などの手間がかかること。「一つにまとめ上げれば事業になるのではないか」と考えたという。

ハウス食品グループ本社 新規事業開発部の渡邉裕大氏
ハウス食品グループ本社 新規事業開発部の渡邉裕大氏

 新たに外食業界に参入したい人に、外食業界への参入障壁を下げるだけでなく、既存の飲食店にとっても、店舗型飲食店だけでは経営が厳しくなっているいま、キッチンカーサービスにはまださまざまな可能性がある。

 今回、街角ステージweldiに参加する飲食店の一つ、スペインクラブは、月島で27年に渡って運営する老舗店で、現在は銀座など5箇所で展開する。もともとキッチンカーに興味があり、デパ地下などで催事を行っている経験から外販のノウハウを持っていても、「キッチンカーは場所ビジネスでもあり、場所を考えながらクルマを用意するといった手間と労力を考えると、難しかった」(スペインクラブ 取締役副社長の村頭達博氏)と話す。

 村頭氏は、「(実際にキッチンカーを始めてみると)『このお店に行ったことある』と買ってくれる人もいる。店の広告宣伝にも合致しており、レストラン事業の手助けになると思う。(飲食事業は)厳しいが、新しいことはどんどんやっていきたい。キッチンカーはその一環になる」と語った。

 ハウス食品グループ本社は、事業規模として2022年に月間売上高500万円を目指す。10年以内はキッチンカーを180台にし、年商8億の事業規模にしたいとしている。

スペインクラブ 取締役副社長の村頭達博氏
スペインクラブ 取締役副社長の村頭達博氏
お弁当に同梱するチラシ。店舗や催事場への宣伝につなげる
お弁当に同梱するチラシ。店舗や催事場への宣伝につなげる

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