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テスラがEVとソーラールーフをビットコイン生成ツールにしたらどうなるか - (page 2)

Jason Perlow (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部2021年02月23日 09時30分
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TeslaがGPU?

 この計画を実現するためには、Teslaは最小限の(ファンレスか、あるいは水冷の)冷却で済む電力効率の高いGPUを必要とする。これらのGPUをSolar InverterまたはPowerwallに搭載するのであれば、夏のガレージ内や家屋の外壁のハウジングの中のように高温になる可能性のある環境で動作しなければならない。そうでなければ、GPUを屋内に設置し、ネットワーク経由でSolar InverterあるいはPowerwallの配電システムに接続させる必要がある。

 Teslaがこのようなアイデアを思いつくとすれば、そのような場面だろうか。また、突然これを実行しようとするとすれば、なぜだろうか。同社の製品が充電中あるいは余剰電力生成中にアイドル状態の間、仮想通貨をマイニングするためにGPUを使うというアイデアは、自動運転機能の開発とオンボードコンピューティングハードウェアのベンチマーク中に浮上する可能性がありそうだ。

 Teslaは2019年に開催したAutonomy Investor Dayで、「Model S」、「Model X」、「Model 3」のGPUをNVIDIA製から自社設計のものに切り替えたと発表した。当時のシリコンエンジニアリング担当ディレクター、Peter Bannon氏は次のように述べた。

 われわれが完成させたデザインはこれだ。32MBのSRAMの占めるスペースが大きい。左右と中央下部に大きなバンクがあり、すべての計算は中央上部で処理する。クロックごとにSRAMアレイから256バイトのアクティベーションデータと128バイトの重みデータを読み取り、それを96×96の小さな加算アレイに結合する。こうしてクロックごとに9000の乗算/加算が実行される。2GHzでは3.6から36.8テラOPSになる。

 われわれの目標は、消費電力を100W未満に抑えることだ。ここに、完全な自動運転中の車の測定データがある。72Wと、以前の設計より少し多いが、性能が劇的に向上しているため、これはかなり良い結果だ。72W中、約15Wがニューラルネットワークの実行で消費されている。

 コストに関しては、このソリューションのシリコンに掛かるコストは以前の約80%だ。従って、このソリューションへの切り替えでコストを削減できている。性能に関しては、350億回の操作を行うナローカメラのニューラルネットワークを古いハードウェア上で最高速で実行したところ、毎秒110フレームの配信ができた。同じデータと同じネットワークを新しいFSD(完全自動運転向け車載コンピューター)向けにコンパイルし、4つのアクセラレーターすべてを使えば毎秒2300フレームの処理が可能になり、つまり21倍になる。

 2021年、Teslaの最新モデルで採用されているGPUはさらに野心的だ。最新のModel S(と、おそらくModel Xも)には、GPUとして10TFLOPSのコンピューター性能を持つカスタムの「AMD RDNA 2」が搭載される。この性能は、ソニーの「PlayStation 5」など市場で特に高性能なゲームコンソールと同等だ。このようなオンボードシステムを搭載した自動車があれば、GPUを搭載したPowerwallも不要だ。車両の充電中に、RDNA 2を仮想通貨のマイニングに使える。

ビジネスチャンス

 Teslaは確かにGPUの経験が豊富といえる。だが、はたしてそれは太陽電池市場を現在リードしているEnphase Energy、サムスン、LG、パナソニックなどの他の自動車メーカーや太陽電池技術関連企業との差別化要因になるだろうか。

 TeslaのSolar Roofは競合製品よりも洗練されているが、より高価でもあり、それが普及のネックになってきた。Solar Roofは今のところ、屋根全体を交換する必要がある場合にのみ競争力がある。

 余剰電力を使ってユーザーに収入をもたらす屋根になるとすれば、それは重要なセールスポイントになるだろう。仮想通貨による収入がソーラーパネルのコストやTeslaの自動車の支払いに適用されるならなおさらだ。Model Sの支払いが5年のローン期間で7万5000ドルから6万5000ドルに、あるいはModel 3が5万ドルから4万ドルに下がるのであれば、かなり良いインセンティブだ。製品にGPUを搭載することで価格が数千ドル高くなるとしても、7万ドルのSolar Roofの投資回収率の見返りは、はるかに早くなる。

 また、Teslaはソーラールーフ(とEV)のコストを按分する可能性もある。ソーラールーフや太陽電池を設置している各家庭や商業ビジネスでGPUのスペースをリースし、仮想通貨収入のバランスを維持させるのだ。

 Tesla製品を現金で購入した場合はどうだろうか。EVのGPUやソーラールーフのGPUスタック(複数のPowerwallを使う場合と同様に、複数のGPUを追加できると仮定している)が資産を生み出すだろう。この場合、Teslaの取り分はない。

 だが、Tesla製品搭載のGPUで生成した仮想通貨は、法定通貨ベースのローンの支払いに充てるのではなく、将来のTesla製品購入のためのエスクロー勘定に「クレジット」として蓄積される可能性が高い。Tesla自身は、ビットコインであれドージコインであれ、GPUが生成する仮想通貨による収入は仮想通貨のまま維持するが、顧客はポイントを貯めるだろう。新車が10万ポイントで、車とソーラールーフが5年間で3万ポイント生成すれば、それを次の新車購入に使える。つまり、Teslaのエコシステムに閉じ込められる。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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