パナソニック、寝言は言うけど自律移動はできない同居人ロボ「NICOBO」

 パナソニック アプライアンス社は2月16日、同居人のような存在になるロボット「NICOBO(ニコボ)」を発表した。寝言も言うし、オナラもするが、自律移動はできない「弱いロボット」と位置付ける。同日からMakuakeでクラウドファンディングを実施。本体と月額利用料6カ月分をセットにして、Makuake税込価格3万9800円で提供しているが、早割り10%OFFの3万5800円~も用意する。

 NICOBOは、直径約21~23cmの球体に近い形で、しっぽつき。重さは約1.2~1.3kgで、バッテリー駆動する。一緒に暮らすには、インターネット、Wi-Fi環境、スマートフォンの専用アプリが必要になる。

「NICOBO(ニコボ)」
「NICOBO(ニコボ)」
直径約21~23cmの球体に近い形で、しっぽつき
直径約21~23cmの球体に近い形で、しっぽつき

 パナソニック アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部主幹の増田陽一郎氏は「開発をスタートしたのは2017年。当時はオーディオ、ビジュアル関連の新規事業創出を考えていた。家電によって豊かなくらしになったのは大変よいことだが、心の豊かさの価値は今後変わるだろう。その提案の1つがNICOBO」と経緯を説明する。

パナソニック アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部主幹の増田陽一郎氏
パナソニック アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部主幹の増田陽一郎氏

 開発のベースになっているのは、豊橋技術科学大学の岡田美智男研究室(ICD-LAB)が提唱している“弱いロボット”。構想段階から共同研究を重ねており、教授の岡田美智男氏は「どこか頼りないけど、かわいい。ロボットの弱さや不完全さが、人の優しさや思いやり、強さを引き出せる」と弱いロボットの強みを話す。

豊橋技術科学大学教授の岡田美智男氏
豊橋技術科学大学教授の岡田美智男氏

 しっぽや目の表情で感情を伝え、なでられたり、抱っこされたりすることは認識。日光などの強い光にも反応するという。感情を持っているため、機嫌によっては、なでられてもしっぽを振らないこともあるとのこと。独自の「モコ語」を話すほか、人間が話している言葉を覚えて、カタコトで話したりもする。

 1人暮らしの人をユーザー層として想定しており、「介護施設や病院なども十分にターゲットとして考えている」(増田氏)とのこと。クラウドファンディングが達成した後、一般販売の検討に入る計画だ。クラウドファンディングは3月18日までで、リターンの発送は2022年3月頃を予定。発送までに1年ほどの期間を設けている点については「開発と生産する期間になる」(増田氏)とのことだ。目標金額は1000万円にしており「目標金額が集まれば、市場性があると判断したい。達成しなければ、このコンセプトと商品内容を一部見直し、再検討する」(増田氏)とした。

 動作するには月額利用料として税込980円が必要になり、これはサーバーにログを残し、よりユーザーにフィットするよう変化していくために必要になるとのこと。ユーザーの話す口癖を覚えて、ふいに話したりするケースがありえるという。

開発メンバー
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