Googleが、同社のEthical AI(倫理的AI)チームのリーダーで、人工知能(AI)の研究者であるMargaret Mitchell氏の職務用アカウントをロックした。Mitchell氏は、Googleが著名AI研究者のTimnit Gebru氏を解雇して物議を醸していた件で、同社の動きを批判していた。
Axiosが米国時間1月19日に報じたところによると、Mitchell氏は、Gebru氏に対する差別的な処遇の例を見つけるために、作業を自動化するためのスクリプトを使ってして自身が過去にやり取りしたメッセージを検索していたという。
AI分野で活躍する数少ない黒人女性の1人で、GoogleのEthical AIチームの共同リーダーを務めていたGebru氏は2020年12月、Googleの検索エンジンで使われているシステムを含む、AIにおけるバイアス(偏見、先入観)の危険性を訴えた研究論文を理由に解雇されたと述べていた。またGoogleの複数の従業員宛てに、同社の多様性や公平性関連の取り組みを批判するメールも送付していた。
Googleは今回の件について、Mitchell氏に関する状況を調査していると述べた。
「当社のセキュリティシステムは、認証上の問題による不正アクセスの恐れがあるアカウントを検出した場合や、機密データの取り扱いに関する自動ルールが作動した場合に、従業員の企業アカウントを自動的にロックする」「今回のケースでは、当社のシステムは18日に、大量のファイルをひそかに抽出してそれらを複数の社外の相手と共有していたアカウントを検出した」(Googleの広報担当者)
Gebru氏の解雇をめぐっては、Googleの一般従業員らの間だけでなく、ハイテク業界中にも広く、激しい抗議が巻き起こった。2700人近いGoogle従業員が、同氏を支持する公開書簡に署名した。同氏が所属していたチームの従業員らは、最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏にも、Gebru氏の復職を求める書簡を送付していた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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