筆者のNextMindの体験は少々荒っぽくはあったが、魅惑的でもあった。開発キットには独自のチュートリアルがあり、「Windows」や「Mac」で再生できるデモに加えて、「SteamVR」のデモも含まれていた。筆者はUSB Type-Cケーブルを使って、SteamVRのデモをOculus Questで再生した。このコンパクトなBluetooth接続型のプラスチック製装置にはヘッドバンドが付いているが、少しの手間でヘッドバンドから取り外して、VRヘッドセットのストラップ背面に直接取り付けることもできる。
NextMindの体験は、すべて、画面内でかすかに点滅している大きな領域を見る操作が含まれる。ここに注意を向ける、つまり、じっと見つめることで、「クリック」できる。何かを起動する方法をつかむのが難しく、筆者は目をいつもより見開いたり、呼吸したり、集中しようとしたりしていた。最終的に、筆者が見つめていたものはクリックされた。画面上で点滅する「ボタン」が5つほどあるフィールドの中で、このデバイスは筆者が何を見つめているのかを本当に認識したのだ。もう一度言うが、アイトラッキング技術は全く使われていない。このデバイスは筆者の後頭部にずっと固定されたままだ。
ぎこちなさや不確かさを感じたかと聞かれれば、答えはもちろんイエスだ。筆者がこのデバイスを試しているときに子供が部屋に入ってきたので、何をしているのかを見せたところ、子供はまるで筆者が手品をしたかのように驚いていた。
NextMindの開発キットはまだ消費者を想定したデバイスではない。Mudra Bandはクラウドファンディングサイトの「Indiegogo」でApple Watch向けアクセサリーとして予約を受け付けているが、こちらも実験的なものだ。このようなテクノロジーが今後さらに増えることは間違いないだろう。オンラインで開催された2021年のCESでは、物理的なマウスよりも速くクリック入力を感知して反応時間の短縮を目指す手袋型の「ニューラルマウス」までもが披露された。筆者はそのマウスを試していないが、そのアイデアは、NextMindのような企業が想像しているものとそれほどかけ離れていないように思える。
現時点では、BMIは、入力を再現する試みとして不完全に感じる。筆者ならおそらく代わりにキーボードやマウス、タッチスクリーンを使ってやるような操作の別のやり方を模索するアルゴリズムのようだ。だが、音声認識もかつてはそのように感じられた。ハンドトラッキングについても同様だ。現時点で、NextMindのデモは実際に機能している。筆者はただ、次の展開を想像しようとしているだけだ。それが何であれ、爆発するエイリアンの頭がもう登場しないことを願っている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」