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ついに揃った携帯大手3社の破格プラン---「20GBプラン」を中心に要点を整理する

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 菅政権の非常に強い料金引き下げ圧力を受け、携帯3社は2020年末から2021年初頭にかけ、相次いで料金プランの見直しを発表した。NTTドコモはahamoのインパクトだけで勝ち抜けるのか、ライバル他社は有効な対抗策を打ち出せているのか。各社が打ち出した料金プランとその狙いを改めて確認してみたい。

微修正を図るahamo、ソフトバンクはLINEで対抗

 2020年に内閣総理大臣に就任した菅義偉氏が政権公約に掲げ、武田良太総務大臣を中心として業界に強い圧力をかけたことにより、急速に動きが慌ただしくなった携帯電話料金引き下げに関する動向。2020年12月末から2021年1月にかけて、大手3社の料金見直しが急速に進んでいるが、実質的にその火蓋を切ったのは、2020年12月3日に発表されたNTTドコモの「ahamo」だろう。

 ahamoはスマートフォンに詳しい20代の単身者を狙ったプランで、契約やサポートをオンラインに絞ることで割引なしで月額2980円、なおかつ4G・5Gのデータ通信量が20GB、1回当たり5分間の無料通話が利用できるという高いコストパフォーマンスを実現。一躍注目の的となったことは記憶に新しい。

ahamo
月額2980円で通信量20GBというコストパフォーマンスを実現したNTTドコモの「ahamo」の登場で、料金競争が急加速することとなった

 NTTドコモは元々ahamoをサブブランドして設計していたと見られ、発表当初はサービス開始後一定期間、既存プランから移行するのに番号ポータビリティ(MNP)での転出が必要になる、「ファミリー割引」のグループ対象にならないなど、NTTドコモブランドの料金プランとして不自然な点が多かった。だがその後MNPでの転出を不要にしたり、2021年1月14日にはahamo利用者もファミリー割引のグループ対象としたりするなど、料金プランとしての位置付けを明確にするべく細かな軌道修正を図っているようだ。

 このahamoが大きな評判を呼んで以降、ライバル各社もahamoに対抗するべく若い世代をターゲットとしたオンライン専用プランを相次いで打ち出している。最初に動いたのはソフトバンクで、同社は2020年12月22日、傘下のMVNOである「LINEモバイル」の吸収を前提に、「Softbank on LINE」をブランドコンセプトとしたオンライン専用の料金プランを提供すると発表した。

 その内容は月額2980円で通信量20GB、1回当たり5分間の無料通話が付くなどahamoとかなりの部分で共通しているが、LINEモバイルの基盤を活用し、LINEからさまざまな契約や手続き、サポートができることが大きな差異化要素となるようだ。ソフトバンクはヤフーを有する傘下のZホールディングスと、LINEが2021年3月に経営統合する予定で、実質的にLINEを傘下に収める形となることから、今後LINEと積極連携したサービス展開が考えられそうだ。

Softbank on LINE
ソフトバンクはLINEモバイルを吸収し、「Softbank on LINE」のブランドコンセプトの下にオンライン専用の料金プランを提供すると発表。契約やサポートをLINEのアプリ上からできるなど、LINEとの連携強化が大きなポイントとなる

povoの“トッピング”に噛みついた武田大臣

 そして2021年に入り、ahamo対抗策を打ち出してきたのがKDDIである。同社はメインブランドであるauブランドの中にオンライン専用のブランド「povo」を立ち上げ、新しい料金プランを提供する方針のようだ。

 povoは元々、KDDIの子会社がMVNOとして、シンガポールを中心にオンライン専用のモバイル通信サービスを提供するCircles Asia社のノウハウを活用して提供しようとしていたものを、環境変化を受けKDDI本体で提供するに至ったものとなる。povoの大きな特徴となるのは、基本プランに必要に応じたオプションを“トッピング”し、自分にマッチしたサービスが利用できることにある。

KDDIは2021年1月13日に新料金を発表。中でも注目されたのはオンライン専用の新サービス「povo」だ
KDDIは2021年1月13日に新料金を発表。中でも注目されたのはオンライン専用の新サービス「povo」だ

 povoの料金プランは月額2480円で20GBのデータ通信量が利用できるのみと非常にシンプルだが、トッピングの仕組みを生かして通話定額やデータ通信量の追加などのオプションを、必要に応じて追加することが可能だ。中には24時間だけデータ通信を無制限にできるなど特徴的なオプションもあり、トッピングで他社との明確な差異化に成功したといえる。

povoは基本プランに、簡単な操作で必要に応じてオプションを付け外しできる“トッピング”が大きな特徴。24時間データ通信し放題など、一時的に利用できるトッピングも用意されている
povoは基本プランに、簡単な操作で必要に応じてオプションを付け外しできる“トッピング”が大きな特徴。24時間データ通信し放題など、一時的に利用できるトッピングも用意されている

 またpovoは1回5分の無料通話もトッピングのオプション扱いとし、その分他社よりも基本料を500円引き下げたことでも注目を集めたようだ。KDDIの代表取締役社長である高橋誠氏(漢字ははしご高)はその理由として、「スマートフォンを利用する20代以下の顧客のうち、通話時間が月間10分未満の人が6割以上だ」と、ターゲット層の使い方を考慮するならばオプションにしてその分他社よりも基本料を安くする判断に至ったと話しており、その点はSNSなどでも評価がなされている。

 ただこのpovoの内容について、武田大臣は2021年1月15日の記者会見で「最安値と言いながら結局他社と同じ料金」「非常に紛らわしい発表だ」と批判している。そもそもKDDIはpovoの料金が「最安値」と大きくうたっている訳ではなく、大臣の見解にはかなりの部分で誤解があるのではないかという印象も受けるのだが、「もっとわかりやすい手法をしっかり考えていただきたい」という武田大臣の発言は、povoのトッピングというコンセプトそのものの否定にもつながってくるだけに非常に気がかりな所だ。

povo
「最安値」でありながら実質他社と同額であることが武田大臣から批判されたpovoだが、発表会では質疑で最安値であることへの言及があったとはいえ、プレゼンテーションなどでは最安値であることのアピールがなされていた訳ではない

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