月桂冠は1月12日、Daigasグループのオージス総研と共同開発した日本酒の飲みくらべを推奨するAI診断アプリ「サケクラ」の実証実験を実施したと発表した。
実証実験は、月桂冠大倉記念館の売店で、2020年9月11日〜9月28日にかけて実施。アプリ体験の有無やアプリが提案したお勧めの日本酒と、実際に購入された商品とを比較し、アプリ体験と顧客の日本酒選びとの相関を検証したという。
同社によると、日本酒には多彩なバリエーションがあり、どう選び、どう楽しんだらよいか分からないという課題があったという。共同開発したサケクラは、オージス総研が提供する「行動観察」手法を用いて洞察したニーズをもとにして、AI技術の活用を含めたアプリの企画デザイン・開発(UXデザイン、システムおよび、機械学習によるモデリングの設計)を進めて完成させた。
実証実験では、売店内にサケクラを導入したタブレットを設置。購入希望者に日頃のお酒との関わりなどについての3つの質問に回答してもらい、AIにより診断された飲み比べにお勧めの日本酒2種類の組み合わせ(香りや酵母の違い、原料酒米の違い、仕込みの違いなどを楽しめる、それぞれ2つの商品の飲み比べ)を提案する。
なお、AI診断で導き出された商品の購入率は5倍、飲みくらべ2種類のセット購入率は10倍となり、アプリがどのお酒を選べばよいか分からない購入希望者にお土産選びのきっかけを提供し、日本酒の飲み比べというお酒の楽しみ方を後押しする結果になった。
また、アプリを利用しない人と比較し、購入者ごとの購入金額は1.2倍となったことから、AI診断アプリが店舗の売上向上へ貢献を期待しているという。
今後は、今回の検証によって得られた購入者理解をさらに深め、より進化したAI診断アプリの開発につなげることを目指す。
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