かけるだけで近視を治す「クボタメガネ」プロトタイプが完成--商業化に向け

 窪田製薬ホールディングスは12月17日、100%子会社のクボタビジョン・インクが開発する近視治療・抑制デバイス「クボタメガネ」のプロトタイプが完成したと発表した。

 
 

 近視の治療・抑制を目的に開発しているウェアラブル近視デバイス「クボタメガネ」は、2020年5月に卓上デバイス、8月にはウェアラブルデバイスを用いた臨床試験を行った。被験者の網膜に1日数時間の網膜周辺部へのぼかした像の投影(myopic defocus stimulation)で眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が対象眼と比較して短縮するという結果が得られ、POC(Proof of Concept:概念実証)が確認されている。

 この結果を踏まえ、同社グループではクボタメガネの商業化に向けてプロトタイプの開発を進めており、今回その初期型となるプロトタイプが完成した。

 クボタメガネに使用している「クボタメガネテクノロジー」は、AR(Augmented Reality)のように網膜に人工的な光刺激(画像の投影)を与えて近視の進行の抑制・治療を目指す独自の技術。

 
 

 米国では既に、CooperVisionの「Proclear Multifocal」と「Biofinity Multifocal」という製品が近視抑制効果があるとして米国食品医薬品局(FDA)より認可を受け、販売されている。

 これらの製品は、多焦点コンタクトレンズの仕組みを応用し、自然光をぼかして網膜周辺部に刺激を与えることで、単焦点コンタクトレンズと比較して近視の進行を抑制することを証明したコンタクトレンズとなる。

 一方、同社グループのクボタメガネテクノロジーは、この理論的根拠をもとにナノテクノロジーを駆使してメガネに投影装置を組み込むことで、自然光をぼかすことなく、直接一番効果的な画像を網膜周辺部に投影することを実現。先行品よりも短時間の使用でより自然な見え方を維持しながら、高い近視抑制効果を実現することを目指している。

 今後の開発計画については、人工的な光刺激を網膜に与える時間や期間を変更することにより、クボタメガネが眼軸長に与える影響を中長期的に検証。製品デザインの改良、医療機器としての製造販売認証申請のための臨床試験などを行う予定だという。

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