Facebookは偽情報をひたすら狩り続けた--試練の2020年を振り返る - (page 3)

Queenie Wong (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年12月17日 07時30分

 Facebookは、極右の陰謀論とそれを支持する集団を指す「QAnon」に関するコンテンツも厳しく取り締まった。QAnonは、Trump大統領とその政権を陥れようとする「ディープステート」(影の国家)の陰謀があるという誤った主張を広めている。

 大量の誤情報が投稿される状況は、大統領選挙の投票日の後も続いた。偽アカウントが報道機関になりすましたほか、さまざまな陰謀論がオンラインで流れた。例えば、投票所の職員がTrump大統領への投票を無効にするために、油性ペンを配ったなどという誤った情報が流布した。

 FacebookとTwitterが誤った情報を取り締まると、両社には反保守的な偏向があると繰り返し批判してきた共和党員たちが怒りをあらわにした。両社はそうした主張を否定している。

議会は規制の強化を検討

 反競争的慣行、プライバシー、誤った情報、テクノロジーへの依存、検閲――。共和党と民主党両党の議員が、世界最大規模のテクノロジー企業各社について、さまざまな懸念を表明した。そして、責任者からの回答を求めた。

 Zuckerberg氏は2020年、3回の議会公聴会に出席した。7月の最初の公聴会では、巨大テクノロジー企業各社が権力を濫用していないかどうかが焦点になった。Zuckerberg氏とともに、AmazonのJeff Bezos氏、AppleのTim Cook氏、GoogleのSundar Pichai氏の各CEOも、下院の反トラスト小委員会に出席している。この小委員会はIT大手各社の反競争的な商慣習を批判していた。Facebookは特に、人気の高い写真共有サービスInstagramを含む競合他社の買収について質問を受けた。Facebookは米国時間12月9日、Instagramとメッセージングアプリ「WhatsApp」の買収に関して、反トラスト法違反の疑いで、40以上の州と米連邦取引委員会(FTC)に提訴されている。

下院の反トラスト小委員会に出席したCEOら
下院の反トラスト小委員会に出席したCEOら
提供:Getty Images

 Zuckerberg氏は10月、通信品位法(CDA)230条に関するオンライン公聴会で、再び議会に登場。230条は、ユーザーが生成したコンテンツに対する責任からインターネットプラットフォームを保護する連邦法だ。Zuckerberg氏は議員らに対し、議会は230条が本来の意図通りに機能するように法律を改正すべきだと語った。議員らは公聴会で、Zuckerberg氏やDorsey氏、Pichai氏に対し、各社のコンテンツの取り締まり方を批判した。民主党員はヘイトスピーチや誤情報に対する各社の対策が不十分だと指摘しており、共和党員は自分たちの発言が検閲されていると主張している。もっとも、各社は政治的偏見があるとの主張を否定している。

 大統領選挙投票日の後、Zuckerberg氏は上院司法委員会の公聴会に出席し、3度目の証言を行った。この公聴会は、Biden氏の息子Hunter Biden氏の未確認の不正疑惑について報じたNew York Postの記事について、FacebookとTwitterが拡散を抑制したことを受け、共和党が召集したもの。公聴会では共和党員が、ソーシャルメディア企業はパブリッシャーであり、230条で保護されるべきではないと主張。委員会の議長を務めるLindsey Graham議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は、この記事の拡散抑制に関する発言の中でCEOらに対し、「あなた方は究極の編集者だ」と語った。「これが編集上の判断に該当しないなら、何が該当するのか私には分からない」(同氏)

 Zuckerberg氏は、Facebookがパブリッシャーだという主張を否定し、報道機関のように自らコンテンツを作り出しているわけではないと指摘した。同氏は議員らに対し、規制を受け入れる用意があるという意思を改めて表明した。「われわれには責任があると考えており、プラットフォーム上のコンテンツの一部について責任が生じるのが筋かもしれない」(同氏)

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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