A.L.I.、「ボタンを押すだけ」物流ドローン実証実験--配送コスト200円で2021年のローンチ目指す

 A.L.I.テクノロジーズは12月1日、神奈川県横浜市のSBSロジコム横浜幸浦支店にて、物流ドローンによる配送の実証実験を実施した。

横浜市で実施したA.L.I.テクノロジーズの実証実験
横浜市で実施したA.L.I.テクノロジーズの実証実験

 この試験は、ドローンを始めとするUAV(無人航空機)による、無人配送の実現を目指すためのもの。既に同社のソリューションは完成域に達しているといい、今回は、実環境においてさまざまな電波が飛び交う中での運用や、ボタンを押すだけの完全遠隔飛行の運用を実証した。

 今回実証したソリューションでは、ボタンを押すだけでドローンが自動で飛行する。A.L.I.テクノロジーズ 代表取締役会長の小松周平氏は、UAV物流が求められる過疎地では「電池を簡単に交換でき、ボタンを押せば飛行するといった、チューニングが必要無いソリューションが求められている」と説明。実運用においては、配送拠点からコミュニティセンターのような場所へ配送し、荷物を受け取った後には地元住民などの担当者がボタンを押すだけでドローンが帰還するシステムになると語った。

実運用時と同様、ボタンを押すだけで自動的に飛行したドローン
実運用時と同様、ボタンを押すだけで自動的に飛行したドローン

 ドローン物流で懸念されるのが輸送コストだが、小松氏は「1個の荷物を200円から300円で配送する契約を物流会社と締結している」と説明した。今回の実証実験に使用したドローンはA.L.I.の自社製造機体だが、本格運用時は市販ドローンへA.L.I.のソフトウェアを組み込むことも想定。ソリューションの導入コストを引き下げることで、低価格の輸送費を実現する戦略だ。

この機体はA.L.I.製だが、実運用時には機体メーカーにはこだわらず、コストを引き下げるという
この機体はA.L.I.製だが、実運用時には機体メーカーにはこだわらず、コストを引き下げるという

 なお、今回使用した機体の積載量は最大で約2キロ、1回の飛行距離は約30キロだが、今後は最大10キロ程度の荷物を15キロ圏内で輸送できる大型ドローンも導入するという。

今回使用した機体の最大積載量は約2キロだが、将来的には約10キロ積載できる大型機体の導入も検討しているという
今回使用した機体の最大積載量は約2キロだが、将来的には約10キロ積載できる大型機体の導入も検討しているという

 小松氏は、UAV物流の開始時期について、「2021年の夏に定期便の運行を始める」と説明。まずは2020年内に実フィールドでの実証実験を実施し、本格運用の開始に備える構えだ。また、今回の実証実験場所を提供したSBSホールディングスを始め、数社と既にUAV物流の契約を締結しているといい、「2025年までに1000カ所、2030年までに1万カ所での配送を目指す」(小松氏)という。

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