ニチレイは11月18日、ユーザーの食の好みに基づき、つくりおき献立を提案するスマートフォン用アプリ「conomeal kitchen」の提供を開始した。App Storeよりダウンロードできる。
conomeal kitchenは、9月30日より試用版のベータテストを実施してきたが、いよいよ正式版(iOS版)が登場した。今後は、Android向けアプリも予定している。
アプリのターゲットは「家庭で料理をする人」だ。主に夕食を想定し、その人の好みにあったメニューとレシピを提案。さらにはメニューにそった買い物リストの提示、下ごしらえ(ミールキットの作成)によって、日々の料理時間を短縮する工夫をしている。
食事作りで負担に感じることのトップは「献立を考えること」で、30年間変わっていないという。インターネットが普及したいまでは、レシピ動画もあり、レシピアプリもある。なのに、なぜその悩みが解決していないのか。
家で「今日は何が食べたい?」と聞かれて「なんでもいい」と答えたことがある人は少なくないだろう。
レシピを調べるには、キーワードを検索する必用がある。逆にいえば、大量のレシピ情報があっても、「キーワードを決定する」という作業をしないと、レシピが探せないわけだ。
そこで、人の食嗜好性を分析するAIを活用したシステムによって、好みにあった提案をし、レシピが決められない、献立を考える悩みを解決しようというのが、このconomeal kitchenアプリだ。
食の価値観を分析すると、6タイプに分けられるという。そうした「食意識」と「心理(そのときの気分)」「環境(いつ誰とどんな時に)」を考慮してレシピを提案する。
気分は、アプリの「バズタグ」に、「ほっとする味」「楽しい」「好きな人と」などいくつかのキーワードがあり、そこから選ぶ。
また、レシピはAIが完璧に決めるのではなく、いくつかの中から選べるようになっており、人に「選ぶ」選択肢を残しているのもポイントのひとつだ。選択肢を残し、人に食を選ぶ楽しみを提供する。
AIに関しては、“かわいい”とはどういうことか、など「感性のAI」を研究している人工知能の専門家、北海道大学教授の川村秀憲氏が協力した。
提案するレシピの数は350。少なく思えるかもしれないが、好きなレシピをリピートするため、一般家庭では一年間で100レシピぐらいという。思ったほど家庭のメニュー数は多くないのだ。ニチレイ 技術戦略企画部 事業開発グループの関屋英理子氏は、「数よりも一つ一つのレシピの質を上げることにこだわった」と説明した。
つくりおきレシピを独自に作るスペシャリストのMiki Muranakaさんや食にまつわる様々な活動をする夫婦ユニットのてとてと、六本木に構える日本料理店「粲(sun)」の総料理長の盛山貴行氏らがレシピアドバイザーとしてかかわっている。
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