日鉄興和不動産は11月12日、マンションのモデルルームの新たな提案として、移動式マンションサロン「Smart Class」(スマクラ)の実証実験を開始すると発表した。自宅や職場の付近の駅まで迎えて来てくれ、現地までの移動時間にマンション情報が受け取れる。
利用するにはウェブサイトでの予約受け付けが必要。11月13日から12月14日までの間、マンションのリビオレゾン浅草、リビオレゾン上野入谷ザ・テラス、リビオレゾン三ノ輪ステーションプレミアで実験運行する。利用は無料。
Smart Classは、利用者の指定の駅(東京メトロ銀座線銀座駅~浅草駅、東京メトロ日比谷線銀座駅~南千住駅)に迎えに行き、見学したい物件の現地を案内後、指定の駅まで送り届けるサービス。モデルルームを設置し、訪れるお客様に対して実施していたマンション紹介を、新たな形で提供する。
日鉄興和不動産 住宅事業本部住宅企画部の白木智洋氏は「日鉄興和不動産では『リビオシティ・ルネ葛西』でMONETの配車プラットフォームなどを活用したマンション向けMaaS『FRECRU(フリクル)』を実施し、移動手段が行動変容を促すことがわかった。Smart ClassではMaaSを使って購買に関する行動変容を期待しており『スマクラがあるから行ってみよう』という変化を促したい」と実証実験の目的について話した。
車内のレイアウトを柔軟に変更できるMONET Technologiesの「マルチタスク車両」を使用。工具を使わず車内のレイアウトを柔軟に変更できる架装車両という特徴をいかし、10人乗りの車両を最大乗車予定人数3名に変更。車内ではマンションに関する動画コンテンツを見ることで、移動時間でもマンションに対する知識が深められる。
実証実験では、気軽に物件を知りたい人向けの「未来の暮らし体験ツアー」と忙しいビジネスパーソン向けの「時短効率ツアー」の2つを用意。移動時の提供コンテンツも、ターゲットごとに変更することで、従来の接客を超えた「記憶に残る体験」の提供を目指す。
例えば、未来の暮らし体験ツアーでは、オリジナルのコンセプトムービーや、VRコンテンツを使って「24時間365日リビオレゾンに住んだら」という疑似体験ができるようになっており、時短効率ツアーでは、オリジナルセミナー動画や、現地案内用のiPadコンテンツを使い、通常マンションサロンで行われる接客内容のうち、「モデルルーム見学」を除くほとんどの内容を体験できるように仕上げているという。
1枠1組限定で1日4枠の稼働としており、稼働時間は、平日13時30分~20時40分、土日祝9時30分~16時40分。想定ターゲットを踏まえ、平日は退社後に利用できるよう、遅めの時間まで稼働する。どの駅間で選択しても、1コース70分程度の案内になるという。
「モデルルームにいく時間がない、そこまでまだ興味が持てないと考えているお客様の心理的ハードルを下げ、マンションへの興味を持ってもらうことが狙い。完全無人接客になるため、時節柄、対面での接客を敬遠するお客様に対しても安心感を提供できる」と白木氏はメリットを話す。
今回の実証実験では移動時間を効率的に活用してマンションの購買活動につながるか、非対面形式での販売活動でもマンション購入という人生における重要な購買体験をより良いものにできるかの2点を検証し、2021年3月上旬に本格導入をする計画。非対面でありながら、今までモデルルームが果たしてきた役割を維持、向上し、新たなマンション販売の実現を目指す。
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