トランプ大統領とIT業界、愛憎の4年間を振り返る - (page 3)

Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年11月11日 07時30分

Trump氏と新型コロナウイルス

 Trump氏は、2019年12月に下院が開いた、のちに弾劾裁判につながる公聴会の問題を抱えたまま2020年を迎えた。その後、上院は無罪を評決している。

 だが、同氏が遺した実績としてきっと多くの人々の記憶に残るのは、何といっても新型コロナウイルス感染症のパンデミック、そして激動の2020年のさまざまな出来事への対応だろう。George Floydさんが殺された事件をきっかけに、黒人社会の扱いをめぐって起きた全国的な抗議運動から、西海岸に惨事をもたらした山火事、南部を襲ったハリケーンと洪水など、数々の危機があった。

 なかでも、新型コロナウイルスは米国全土に大打撃を与えている。3月には経済活動が停滞し、数千万人が失業に追い込まれた。米国内ののべ感染者数は10日時点で1011万に達しており、これは全世界のほぼ5分の1に当たる。一方、シンガポールやニュージーランド、韓国などは、致死率の高い新型コロナウイルス拡大の封じ込めに成功しているのだ。

 Trump氏は、ジャーナリストBob Woodward氏に対して、当初新型コロナウイルスの脅威を軽視していたと録音インタビューで認めている。パニックを起こしたくなかったのだという。Trump氏は、暖かい季節になれば新型コロナウイルスは「収束する」と、公の場で繰り返し発言していた。経済再開を指示すると、夏の間に第2波が訪れた。第3波は過去数週間で発生しており、1日当たりの感染者数は9万9000人以上に達している。

 同氏は、マスクの着用に消極的だったことでも批判された。世界的には、コロナウイルス拡散を防止するうえで有効であるとして医療の専門家が推奨しているからだ。そうした非科学的な姿勢は、大統領在職中の各規制への対応でも共通している。

 同氏が公の場で初めてマスクを着用したのは7月のこと。米国でパンデミックが始まってから実に4カ月が経過していた。9月には、疾病予防管理センター(CDC)のRobert Redfield所長も市民にマスクを着用するよう勧告していたが、Trump氏はこれにも反論する。Redfield氏の見解について尋ねられたとき、Trump氏はマスクが有効であればいいと述べ、「おそらく有効だろう」としたものの、「マスクに抵抗がある」人もいると語った。この姿勢を見て、マスク着用をやめた人も多かったのだ。

 大統領選最初の討論会では、Biden氏がほぼいつもマスクを着用しているのをTrump氏が揶揄する場面さえあった。

 その数日後、Trump氏は新型コロナウイルス陽性と診断されたことを発表し、ただでさえ予測の難しい選挙をさらに混迷させることになった。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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