メルカリと日本郵便は11月4日、メルカリの新たな配送サービスとして「ゆうパケットポスト」を発表した。メルカリで売れた商品を有料の専用箱で梱包し、郵便ポストへ投函することで商品発送が完了する。配送料は税込で200円。
メルカリでは、商品を出品したユーザーが購入者の元へ商品の発送する仕組みが複数整い、郵便局と連携したサービスも展開している。今回発表されたゆうパケットポストも、こうした配送サービスの一つだ。「ゆうゆうメルカリ便」のオプションとしてゆうパケットポストを選択した場合、メルカリで売れた商品を発送する際に、全国にある郵便ポストに投函することで発送が完了する。
メルカリの事業開発マネージャーである石川佑氏は、新配送サービスのメリットについて「これまでは郵便窓口の営業時間内で対応する必要があったが、ゆうパケットポストなら24時間いつでも発送(投函)できる」と紹介。また、「投函するだけで発送が終わるため、新しい生活用式に応じた非対面という安心・安全面も特徴」など、配送拠点の拡大や、配送拠点のオペレーションに関するメリットも挙げた。
ゆうパケットポストを利用するには、専用の箱を購入して梱包する必要がある。箱のサイズは縦32.7cm × 横22.8cm × 厚さ3cmであり、配送できる商品のサイズはある程度限定される。また、配送に対応する重さも2kgまでだ。
専用箱は、全国約1100局の郵便局のほか、コンビニエンスストアの「ローソン」全店、100円ショップの「Seria(セリア)」約1600店舗にて取り扱われる。また、メルカリアプリ内のメルカリストアから購入することも可能。セット販売枚数は場所によって異なるが、専用箱1枚あたりの価格は65円。なお、メルカリストアで5枚セットで購入する場合は、少しだけ安い300円(1枚あたり60円相当)になる。
専用箱を入手し、発送する商品を梱包したら、専用箱上部のシールに印字された2次元コードをメルカリアプリで読み取ることで配送に必要なデータを管理。同シールを手元保管用として読み取り後に剥がし、あとは箱を郵便ポストに投函すれば発送が完了する。箱に伝票などを貼り付ける必要はない。
なお、2021年4月30日まで同サービスの利用で20ポイントを付与。実質180円で利用できるほか、「もらって、撮って、ポストにポン!ゆうパケットポストで配送料実質無料キャンペーン」を11月5日~30日23時59分まで実施。ゆうパケットポスト専用箱などの梱包資材無料クーポン進呈や、初回配送料実質無料、抽選で新規出品・売却の売上金が実質最大2倍になるなどの特典が用意される。
4日に開催された報道発表会では、メルカリ上級執行役員 メルカリジャパンCEOの田面木宏尚氏と、日本郵便 取締役副社長 兼 執行役員副社長の諫山親氏が登壇した。
同発表会冒頭にて、メルカリの田面木氏は、2020年6月におけるメルカリ事業の流通総額が6259億円になったことや、国内の月間アクティブユーザーが1745万人になったことを強調。さらに、日本郵便との協力については、2017年6月に提供開始した「ゆうゆうメルカリ便」からの長い取り組みであることを解説した。これまでの取り組みとしては、2019年8月の「メルカリ教室」開催や、同年10月の「ゆうパケットプラス」提供開始などもある。
一方、日本郵便の諫山氏は、通販サイトなどの利用増加に伴い、取り扱い荷物個数が増加している背景に触れた。また、新型コロナ禍に対応した新しい生活様式への対応が社会的にも求められているとも説明。両者は、郵便ポスト投函で発送作業を完了できるゆうパケットポストの導入により、拡大する個人間配送のニーズに応えつつ、利便性を向上し、社会的な課題の解消にもつなげる狙いだ。
メルカリの田面木氏は、「これまでも日本郵便様とはサービスに関する協議を続けてきたが、やはりコロナ禍も含めて非対面という需要が増えている。また、メルカリとしても配送がサービスの成長に伴い配送件数であったり、配送に対する負荷が高まっているという認識もあり、約15万箇所という新たな配送拠点・タッチポイントを活用することで解決したい」とサービス導入の背景を説明。
また、日本郵便の諫山氏は「現場の発送負荷というよりも、コロナの影響もあり、郵便局の窓口にもソーシャルディスタンスを取ってかなりお客様が並ばれる状況があった。現場からは、お客様に並んでいただくのは、利便性の面でも申し訳ないといった声も多かったので、今回の非対面のサービスにつながった」と話している。
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