Facebook、「技術的問題」で大統領選の広告が停止--両陣営が非難

Queenie Wong (CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 吉武稔夫 (ガリレオ)2020年11月02日 15時07分

 大統領選挙当日の米国時間11月3日を前にFacebookが誤って自分たちの広告を排除したとして、米大統領選挙に立候補しているDonald Trump大統領とJoe Biden候補の陣営がそろって同社を非難している。

提供:Angela Lang/CNET
提供:Angela Lang/CNET

 Facebookは米大統領選挙の正当性を損なわないようにする対策の一環として、10月27日から新しい政治広告の受け付けを中止した。しかし、この日以前に承認された広告は選挙当日まで表示される。

 広告に対する新たな制限が導入された後、同社システムの「技術的問題」によって一部の承認済み広告が誤って停止されたことをFacebookは公式ブログで明らかにした。広告主側でも、広告を変更できない問題が生じていた。一部の広告は締め切り直前にターゲットとするオーディエンスを変更したことによってブロックされた。

 選挙前の重要な数日間に一方の陣営を有利に導く可能性のある規則をFacebookが導入したとして、両陣営からはこのシステムエラーに対する懸念の声が噴出している。

 Facebookは公式ブログで、「誰かの意思によって、あるいはいずれかの党派に対する配慮が原因で、停止もしくは拒絶された広告はない。この技術的な問題に人間の意思は介在せず、いずれかの党派に偏ることなく、大統領選両陣営の広告に影響している」と説明した。同社は先頃、11月3日の投票終了後に「混乱と悪用の可能性を減らすため」、一時的に米国の社会的問題、選挙もしくは政治に関連する広告をすべて停止すると発表していた。

 両陣営は30日の時点で、Facebook上の広告にまだ問題があるとしていた。

 Biden候補の陣営は、Facebookで資金集めの広告が掲載されなかったため、寄付金が予定より50万ドル(約5230万円)以上少なくなったと見積もっている。

 Biden候補の陣営は声明の中で、「この件に関して、Facebookが大統領選でDonald Trump陣営に有利な取り扱いをしているのかどうか、現時点では不明だが、前回の選挙から4年間の準備期間があったにもかかわらず、Facebookが今回の大統領選挙に全くの準備不足であることは十分に明らかだ」と述べている。

 Trump陣営で広報担当を務めるSamantha Zager氏は30日、新しい広告を禁止することは、経済成長やBiden候補への反論など、重要な問題について国民に伝える能力を制限するものだと述べた。

 「シリコンバレーのマフィアは圧力を一段と強め、多数の米国民が投票をする数日前に、審査済みの広告を掲載できないようにした」とZager氏は述べ、さらに「これは偶然ではない。Facebookは、自社の不合理なルールに沿ったわれわれの選挙広告をブロックしている。その理由は単に、同社がTrump大統領の不利になるよう働いているためだ。これはバグではなく、会社ぐるみの選挙妨害だ」とした。

 Facebookの広報担当者であるElana Widmann氏は、意図せず停止されてしまった広告のうち「大半」は現在公開されているとして、「当社は両候補の陣営と直に協力して、一部残っている広告掲載の問題に対処している」と述べた。

 Facebookの政治広告データベースによると、Biden氏のFacebookページは2018年5月から2020年10月28日までの期間に、社会問題、政治および選挙に関する広告に9500万ドル(約99億4000万円)以上を投じたという。Trump氏のFacebookページは同期間、こうした広告に1億800万ドル(約113億円)以上を投じている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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