UPDATE 米司法省は米国時間10月20日、Googleが検索および検索広告市場で、独占的地位を違法に保有しているとして、同社を提訴した。同省はこれまで1年以上にわたって、Googleが反競争的行為に関与している疑いを調査していた。
米連邦政府は、Googleが反トラスト法に違反してインターネットの「ゲートキーパー」として行動していると主張している。訴状には、GoogleがAppleやサムスンを含むスマートフォンメーカー各社との間で、Googleを端末上の事前設定されたデフォルト検索エンジンとする契約を結ぶことにより、競合他社を違法に締め出していると記されている。また、Googleが「Android」OSの支配力を濫用して、Googleのアプリをスマートフォン上にプリロードすることをメーカー各社に強要しているとも記されている。
司法省によるこの訴状には、アーカンソー州、フロリダ州、ジョージア州、インディアナ州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、モンタナ州、サウスカロライナ州、テキサス州の11州の司法長官(いずれも共和党員)も原告として名を連ねている。
Googleの支配力は、その大規模なデジタル広告事業に基づいている。この莫大な事業は、同社のおよそ1600億ドル(約16兆9000億円)という年間売上高の約85%を占めている。この事業を推進するのが同社の社名を冠した検索エンジンだ。同社の検索エンジンは、世界中でオンラインで実行される検索の約90%を処理し、インターネット上の最高級の不動産の1つとみなされている。
Googleは、反競争的行為への関与を否定した。「米司法省による20日の提訴には重大な欠陥がある。人々は強制されたからでも他の選択肢がないからでもなく、自ら選んでGoogleを利用している」と、同社の国際問題担当シニアバイスプレジデントを務めるKent Walker氏は公式ブログで述べた。
司法省は、複数の改善策を検討しているという。Ryan Shores司法副次官は「いかなる選択肢も除外されていない」と電話会議で語った。
Googleの反トラスト訴訟はほんの始まりにすぎないかもしれない。司法省の発表とは別に、ニューヨーク州とコロラド州を含む7州が、Googleに対する独自調査の一部について、「数週間」のうちに結論を出すと表明した。提訴する場合は、司法省の訴訟と統合する手続きをとるという。
Googleに対する20日の訴訟は、1990年代に司法省と複数の州が、PCソフトウェア市場を独占しているとしてMicrosoftを提訴して以来の、IT企業に対する大型訴訟となる。Microsoftの訴訟では、2001年に和解が成立した。
巨大IT企業は、大きすぎる規模と影響力の報いを受けている状態にあり、その中で司法省による今回の訴訟が起きた。議会や規制当局は、そうした力が、特にシリコンバレーの小規模企業の競争を阻害することにより、最終的にどのような害を消費者に及ぼすかについて懸念している。Googleのほか、同社と競合するApple、Amazon、Facebookも連邦規制当局や議会の調査を受けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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