FacebookとTwitterは米国時間10月6日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する誤った情報を示したDonald Trump大統領の投稿に対処した。同氏はCOVID-19の致死率がインフルエンザより低いと投稿していた。Facebookがこの投稿を削除した一方、Twitterは投稿を非表示にし、「COVID-19関連の誤解を招く情報や、害を及ぼす恐れのある情報の拡散に関する」規則に違反しているとする警告メッセージを表示した。世間の関心を集める可能性があるため、閲覧できるようにしているという。
FacebookとTwitterはともに、特定の集団に免疫があると主張したり、漂白剤を飲むという命に関わる行為を治療法として推奨したりといった、害を及ぼす恐れのある新型コロナウイルス関連の偽情報に対して規則を設けている。Facebookは、政治家からの投稿をファクトチェック機関に送らないとして批判されているが、新型コロナウイルス関連の偽情報を禁止する規則については政治家も対象となる。
「当社は、COVID-19の深刻性に関する誤った情報を削除しており、今回はこの投稿を削除した」と、Facebookの広報担当者は声明で述べた。
ソーシャルネットワーク各社はこれまでにも、新型コロナウイルス関連の偽情報を投稿した政治家に対処してきた。FacebookとTwitterは8月、同ウイルス関連の有害な偽情報を拡散しているとして、Trump氏のアカウントに投稿された動画を削除した。3月には、ブラジルのJair Bolsonaro大統領による投稿を削除している。この投稿には、大統領がソーシャルディスタンスや隔離措置に疑問を投げかけている動画が含まれていた。
しかし各社は、同ウイルス関連の偽情報を含む投稿に対する対応の早さについて、厳しい目を向けられている。Facebookが保有するソーシャルメディア分析ツールCrowdTangleによると、COVID-19とインフルエンザを比較するTrump氏のFacebook投稿に対し、削除される前に29万件を超えるリアクションがあったという。Twitter上では、警告メッセージが表示されていてもTrump氏の投稿を引用してツイートすることが可能だが、いいねやリツイートはできないためリーチは抑えられている。Trump氏のツイートには現在、何人のユーザーが大統領のツイートを共有したかが表示されなくなっている。Twitterのある幹部はReutersに対し、青色の代わりに鮮やかな赤紫色で警告を表示するなど、偽情報を含むツイートに添えるラベルを際立たせる方法をテストしていると述べた。
11月の大統領選を前に、これらの企業に対して偽情報対策の強化を求める政治家の圧力は高まっている。Mark Warner上院議員(バージニア州選出、民主党)は6日、この問題に対する取り組みが十分でないと批判して一連の質問を投げかける書簡を、Facebook、Twitter、Googleに送付した。書簡の中で同氏は、選挙関連コンテンツに対する「責任と透明性に関するより強力な基準を設けること」を各社に促した。
Trump氏はCOVID-19に感染したことを2日に公表。4日には、快方に向かっていることを医師団が明らかにしており、5日にウォルターリード米軍医療センターからホワイトハウスに戻った。同氏が今回の投稿をしたのはその後のことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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