厚生労働省がリリースした、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」(COVID-19 Contact Confirming Application)がスタートしてから約3か月あまり。ダウンロード数(Android/iOSの合計)は9月25日17時現在で約1752万件。陽性登録件数は9月25日17時現在で合計898件となっている。
COCOAは、スマートフォンの近接通信機能(Bluetooth)を利用し、プライバシーを確保しながら、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について、通知を受けとれるアプリだ。GPSなどの位置情報を利用せず、記録することもない。
新型コロナウイルス感染症の陽性者には保健所が処理番号を発行し、陽性者がその番号をアプリに登録した場合、その陽性者と過去14日間に、概ね1メートル以内で15分以上の近接した状態の可能性があった場合に通知される。むやみには登録できないしくみだ。
一方で不具合も報告されており、陽性者との接触があったようなプッシュ通知が表示されても、接触確認アプリを開いて陽性者との接触を確認すると「陽性者との接触は確認されませんでした」と表示されるケースが報告された。
厚生労働省によれば、「陽性者との接触があった旨のプッシュ通知を表示する際の接触の判定が日本の基準(概ね1メートル以内で15分以上の近接)に合っていなかったケースがあった」という。陽性者との接触があった旨の表示をする際の接触の判定との間に、処理の差異があることが判明したとし、修正版の配布をiOS版は9月24日より、Android版は9月28日より開始している。
厚生労働省に問い合わせたところ、アプリ上で「陽性者との接触は確認されませんでした」と表示されるのであれば、その表示を信頼してよいとの回答を得た。
一方で、通知を受けてアプリを開いたとき、「陽性者との接触確認 X件」と表示されたら、1メートル以内で15分以上の近接した状態の可能性があったといえるようだ。
実際に通知を受けてみると、「まさか」と驚く人も少なくないはずだ。熱や風邪のような自覚症状があれば、迷わず検査を受けに行く機会となるが、ここで悩むのは自覚症状がないケースだろう。もしかすると無症状感染者かもしれないという不安。しばらく自宅待機をしたほうがいいのか、PCR検査を受けるべきなのかなど、迷いが生じる。
接触通知を受けたからといって、必ずしも受診したり自宅待機したりしなければならないわけではない。厚生労働省のウェブサイトでは、症状がある場合や過去2週間以内に身近に接した方に感染者や症状のある方がいる場合を除き、「普段通りの生活をしていただいて差し支えない」と説明している。
一方で、なかなか受けられないとされてきたPCR検査だが、8月下旬からCOCOAアプリで通知を受けた人に対しては、症状の有無や濃厚接触者に該当するか否かにかかわらず、行政検査の対象になった(参照PDF:新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)で通知を受けた者に対する行政検査等について)。自覚症状がなくても公費(無料)でPCR検査が受けられるということだ。ただし、病院で受ける場合は初診料などが別途かかる。
実際にこれまで通知を受けた人に聞くと、通知を受けたときの対応やPCR検査の体制も地域によって差があることが見えてきた。ここでは8月末~9月初旬にかけて通知を受けた4人の例を紹介する。もし、あなたが受け取ったらどう対処するかの参考にしていただければ幸いだ。なお、同じ地域でも時期によって対応が異なる可能性があることをお断りしておきたい。
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