ここからは、通知が届いたものの「陽性者との接触はありません」と表示され、対応に追われた2人のケースを紹介したい。該当地域に住む方の参考になれば幸いだ。
これまでは、iPhone/Androidともに「設定」から「接触チェックの記録」を確認し、過去のログの「一致したキーの数」で1以上のものがあれば、陽性者と接触があった可能性があると判断する場合があった。厚生労働省が調査を進めた結果、「陽性者との接触があった旨の表示をする際の接触の判定との間に、処理の差異があることが判明した」と9月24日に発表している。
また、今回の修正アップデートにより、「最新版にすれば『一致したキーの数』を確認する必要はなくなる」(厚生労働省)としている。
なお、接触チェックの記録に表示されるタイムスタンプは、端末がキー情報をチェックした日時であり、陽性者との接触があった日時ではないとのことだ。
――アプリの通知を受けたとき、どう感じましたか?
朝、スマホの目覚まし(アラーム)が鳴り、まだ頭が寝ぼけている状態で、アラームを止め、待ち受け画面に戻ったら、見たことないプッシュ通知が来ていました。二度見して理解したとき、ワンテンポ遅れて、ビックリしました。
――いつの接触をいつ通知として受け取りましたか?
プッシュ通知は8月28日朝に届きました。
――通知を受けた後、どう対応しましたか?
まず普段から通っている近所のクリニックに電話して、指示、アドバイスをもらいました。そこで、荒川区の保健所に電話をして、プッシュ通知のみで、アプリ内では「接触なし」となっていることを報告すると、アプリのサポートに問い合わせるよう言われました。メールでアプリのサポートセンターに、「一致したキーの数」が表示された画面キャプチャを添付して問い合わせました。勤め先の上司にのみ、この状況を知らせました。
土日をはさんで3日後の朝、メールをチェックすると、問い合わせの返信がきていました。「感染者との接触の可能性があるのは事実だが、身の回りに感染者がいない、そして、症状がなければ、そのまま生活してもよし。心配なら、各保健所に問い合わせて、指示を仰げ」といった返信でした。
再び荒川区の保健所に電話で問い合わせたところ、「症状がなければ、そのまま普通に生活してもよし。心配で、PCR検査を受けたければ、無料で受けられるが、その場合は4日後が最速。もっと急ぎたければ、病院に行って検査をしてもらい、領収書をもらってきて手続きすれば、検査料は返金されるが、その際の診察料(病院代)は自腹。また、PCR検査を受けるのであれば、それまでは不要不急の外出は禁止」と言われました。
会社の上司にこれまでの状況を報告している手前、この状態のまま通常勤務はできないので、PCRを受けることを選択しました。
――PCR検査は受けましたか?また、なぜ受けようと思いましたか。
受けました。通知があった当日に会社の上司に報告した手前、何もなしに仕事に復帰するのも気が引けました。
――検査のしやすさはどうでしたか?検査費用は?
検査の費用は無料でした。唾液による検査は、とても簡単でした。
――何日で検査結果が出ましたか?結果が出るまではどう対応しましたか?
8月31日に申請し、9月1日にキットが届きました。9月4日に検体の回収をし、9月5日に結果が出ました。検査自体の日数は1日ですが、通知からは8日間かかっています。
8月28日に通知を受けてから9月5日に陰性報告があるまで、自宅内で家族と極力接触しないようにし、私が触ったもの食器やドアノブ、トイレの便座などは都度消毒するようにして生活をしました。家庭内での隔離生活は、2日で音を上げるほど大変で、これを8日間続けたのはとても苦痛でした。
――COCOAアプリについてどう感じていますか?
プッシュ通知があっても、アプリ内では接触なしという、不可解な状況に振り回されたのは、とても残念でありますが、こうして感染の可能性を一つ一つつぶすべく確認できることはいいことだと思いました。ただ、できれば通知の当日にでも検査をしてもらい、すぐ次のステップに移れることが望ましいとも感じます。
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