米商務省は、技術が軍事活動に利用される懸念から、中国最大手の半導体ファウンドリー中芯国際集成電路製造(SMIC)に特定の製品を輸出する前に許可を得なければならないとする書簡を米国内の企業に送付したと報じられている。中国のハイテク企業に対する米国の慎重な姿勢があらためて明確に示された。
The New York Times(NYT)の米国時間9月26日付けの記事によると、米商務省は書簡の中で、SMICへの輸出には「中華人民共和国の軍事的な最終用途に転用されるという容認できないリスクが伴う可能性がある」としている。
米国は2019年、中国の通信大手、華為技術(ファーウェイ)に製品を販売する米国企業に制限を課した。ファーウェイの中国政府との関係が懸念され、同社の製品が他の国や企業に対するスパイ行為に利用される恐れがあるとされた。
また、中国企業の字節跳動(バイトダンス)傘下の動画アプリ「TikTok」は現在、アプリが収集するユーザーデータが中国共産党政府に共有される恐れがあるとして、米国内で禁止される可能性に直面している。ファーウェイもバイトダンスも、そうした懸念は根拠がないと主張している。
SMICは中国で最も技術的に高度な半導体メーカーだが、業界をリードするチップメーカー各社と比べると遅れており、最先端の用途に対応するチップを製造することはできないとNYTは報じている。また、NYTによると、同社はプロセッサーを製造する上で米国企業の機器やソフトウェアに依存しているという。
商務省産業安全保障局(BIS)の広報担当者は、米商務省の書簡と新たな輸出規制について、米CNETに対する声明で、BISは「いかなる特定の事項にも」コメントできないと述べた。
さらに広報担当者は、BISは省庁間パートナーとともに「米国の国家安全保障と外交政策の利益を脅かす恐れがあるものを常に監視、評価している」とし、「当然の結果として適切な措置を講じる」と述べた。
SMICは、企業や民間の顧客、用途のみを対象にサービスを提供しており、中国軍との関係はないとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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