Appleが9月16日のオンラインイベントで発表した「Apple One」は、同社のさまざまなサービスをバンドル化したサブスクリプションで、「Apple Music」や「Apple TV+」「Apple Arcade」「iCloud」「Apple News+」、新たに発表された「Apple Fitness+」を3通り(日本では2通り)に組み合わせている。「Amazonプライム」のApple版と考えると分かりやすいかもしれない。
数年前から、Appleはサービス事業に注力しており、「iPhone」や「Mac」など、同社の知名度を飛躍的に高めたハードウェアからサービスに軸足を移しつつある。Apple Oneの導入によって、これらのサブスクリプションはさらに重視されるようになり、拡大するAppleのサブスクリプションエコシステムにユーザーを引き入れる(と同時に、ユーザーが離れないようにするための)取り組みに、ますます力を入れるようになるだろう。
一見すると、Apple Oneは、増える一方のサブスクリプションに圧倒されそうになっているAppleユーザーにとって素晴らしいアイデアだ。すべてのサブスクリプションの料金が1つにまとまれば、毎月の支払料金を把握するのもだいぶ楽になるし、同じ料金で、以前は料金を払っておらず知らなかった新たなサービスを発見できる可能性もある。だが、下位の2つのプランでは、少ない容量のストレージしか利用できず、最上位のプレミアプランの料金は比較的高めなので、一部のiPhoneファンは、少なくともApple Oneの詳細な仕組みが明らかになるまでは、利用をためらうかもしれない。
Apple Oneに登録する前に、まだ残されている3つの疑問を以下で紹介していこう。われわれはAppleに回答を求めているが、返答はまだ得られていない。
Apple Oneには3つのプランがあり、そのすべてにiCloudストレージが含まれる。月額14.95ドル(日本では1100円)の個人向けプランは4種類のサービスと50GBのiCloudストレージ、19.95ドル(同1850円)のファミリープランは6人で共有可能な4種類のサービスと200GBのiCloudストレージをそれぞれ提供する。29.95ドルのプレミアプラン(日本での提供予定は不明)では、6人で共有可能な6種類のサービスと2TBのiCloudストレージを利用できる。
有料のiCloudストレージをすでに利用している人であれば、さまざまなAppleデバイスに大量の写真や動画、音楽、ドキュメントを保存する場合や、複数のデバイスを定期的にバックアップしたい場合は、50GBどころか200GBでも十分でないことをご存知のはずだ。iCloudストレージを複数の人と共有する場合は、特にそうだろう。このプラン体系は、2TBの大容量ストレージを備えたプレミアプランをユーザーに選ばせようとしているように思える。
Apple Oneのウェブサイトによると、追加のiCloudストレージを別途購入して、プランに含まれるストレージを補うことができる。現在、iCloudのサブスクリプション料金は、50GBが月額0.99ドル(日本では130円)、200GBが月額2.99ドル(同400円)、2TBが月額9.99ドル(同1300円)となっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス