Facebookは米国時間8月26日、「iOS 14」のリリースに合わせて実施されるAppleのプライバシーポリシー変更により、Facebookのネットワーク広告を導入する「iPhone」アプリのユーザーに向けたターゲット広告の配信が難しくなる可能性があると述べた。
Facebookは、外部のアプリ開発者やパブリッシャー向けに、「Audience Network」というサービスを提供している。このサービスでは、Facebookのターゲティング機能を利用して、数千ものモバイルアプリ上に広告を表示することができる。Facebookは、同社のSNSを利用するユーザーから貴重なデータを収集することにより、広告主らが年齢や位置などの条件に基づいて、潜在顧客にターゲット広告を表示できるようにしている。
Appleは2020年秋にモバイルOSの新バージョン「iOS 14」をリリースするとみられているが、このアップデートの一環として、同社はアプリに関するプライバシーポリシーを変更し、ユーザーの許可がなければアプリがiPhoneやiPadの個体番号を識別するIDFA(広告識別子)と呼ばれるこのデータを収集・共有できないようにしようとしている。IDFAは、企業による広告のターゲティングやその効果の測定に利用されているものだ。
「Audience Networkを利用する開発者やパブリッシャーに対してわれわれが提供する、iOS 14上にターゲット広告を表示するための能力が制限されることになる。その結果、iOS 14ユーザーによっては、Audience Networkからの広告がまったく表示されなかったり、表示されるが関連性が低くなったりする可能性がある」と、Facebookはブログ記事に記している。
Facebookは、iOS 14搭載端末上で動く自社アプリではIDFAの収集はしないとし、この変更を加えたくはなかったが、AppleによるiOSのアップデートにより、「そのように決断せざるを得なかった」と説明している。
Facebookは、Appleによるプライバシーポリシーの変更の影響について、Audience Networkサービスの有効性が低下し、iOS 14上で同社がこれを提供する意味がなくなる可能性があるとし、自社が行ったテストでは、Audience Networkを利用するパブリッシャーの収益が50%以上低下する例も見られたと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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