COVID-19で加速化するDX--産官学医の識者が考えるユビキタスヘルスケアに必要なこと - (page 4)

共感されるようなストーリー作りに必要なこととは?

紺野氏:世界全体を見たときに各国のヘルスケアシステム自体もかなり転換期を迎えている中で、一気にブレイクスルーするようなラージスケールのイノベーションを考える時期にきています。

 先ほど台湾の話が出ていましたが、台湾はそういう構想力を持っていますね。企業や市民が参加する勇気を持たせることがとても大事。目的を媒介に世論を含め、知を総合していく夢のヘルスケア。そういうと陳腐になりますが、どんなプロジェクトでも世論の賛同を得なければうまくいきません。

 パリの改造計画は、疫病対策から起こったわけで、日本もそうした大きな規模のイノベーションをやるべき局面に来ているのではないかなと思います。

津脇氏:本当にそうだと思います。個人を軸にどうやって価値を創造していくことが重要になる時に、共感を得るかどうかが、連携の仕方にもつながると思います。

 データを扱う以上プライバシーやセキュリティーに対する不安があって、それを上回るだけの価値をいかに消費者向けに提供できるかが重要になってくると思います。

 特にこれから必要になってくるのは、規制が強い分野に入り込むことです。医療、金融、交通、保安分野というのは、DXというものがない時代の規制のあり方考え方になっています。

 われわれ政府側も一緒に形にしていかなければ変わっていかないので、一進一退でありながらもやっていける場や発信の仕方を作っていけるといいと思っています。

 われわれも変わっていきたいと思っているところなので、目的を共有することによって、大きく変わるタイミングに来ているのではないかと思います。

曽山氏:小林先生の国民の皆が共感できるような夢であればという話がありましたが、リーダーが1人である必要はないと思っていて複数の人で同じ夢を共感できるようなリーダーシップグループみたいなものがあってやっていけばいいと思っています。

 個人でやるよりも複数でやった方が強みそれぞれの強み弱みもあります。それを持ち寄って取り組むのと良いのではないかと思います。

 それぞれに共感できる人がいるということは、その後組織も動いてくると思います。組織がついてこなければ、飛び出せばいいと思っていたりします。そこまでいくと過激かもしれませんが、そういうことだと思います

小林氏:イノベーションの中で皆さんと作っていくことが必要というのは同感です。後はCOVID-19でDXが非常に加速化されました。DXというと、テクノロジーという感覚がありますが、テクノロジー×ヒューマンだと思っています。

 医療においても今までの平均的な治療ではなく一人ひとりに最適されたフレキシブルなものであり、そういったヒューマンの部分が非常に重要だと思っています。

 コ・クリエーションする際、企業からヒューマンという言葉はあまり出てこないので、医療の側からヒューマンという視点をどう彼らに伝えていくかを少し考えながらお付き合いしています。一人ひとりの幸せ、グッドをどう支援していくかがDXの大きな目的だと思います。

白波瀬氏:目的の共創にヒューマンとして関わることは非常に大事だと思っています。一緒に取り組む時に役割分担をして、それぞれの役割に関わってしまうと、実はあまりDXにつながらないんです。

 今回シェアメディカルの峯さんとのプロジェクトで、若手が一緒に目的を共創したことで、自分事になり目の色が変わりました。自分たちはこれだけやってればいいと思って参加するとなかなかうまくいきません。

 そういう意味ではヒューマンとつながる目的の共創を通じた自分事というところがDXについても大事だと思います。

留目氏:示唆に富む話をいただきましたが、最後はヒューマン、人間というところでお話をさせていただきました。

 同じ会社に所属していても、それぞれ考え方も振る舞いも異なります。会社や組織だけでなく、生活者としていろいろなコミュニティにも所属するようになってきています。さまざまなつながりの中で、どういうストーリーが世の中に求められているのかをそれぞれで判断できるようになってきています。

 人間中心にした世界というのは、Society 5.0(ソサエティ5.0)、データの世界なんです。データは企業が広告の出稿のために使うのではなく、個人の生活が良いものになるために活用されるということが根幹にあるんだと思っています。

 それが新しい世界観でありデジタルトランスフォーメーションの目的。そんな中で、ヒューマンとして人間同士のお付き合いをさせていただき共感する世界観を会話の中で練り上げていき、ユビキタスヘルスケアというものを徐々に一歩一歩進めていきたいと思います。本日はありがとうございました。

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