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「渋谷区のニューノーマル」をともに創る--長谷部区長がスタートアップに期待すること - (page 3)

藤井涼 (編集部) 日沼諭史2020年07月20日 08時00分
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渋谷のニューノーマルは「最先端の田舎暮らし」

——今回のテーマについて、渋谷という街ならではの解決すべき課題はありますか。

長谷部氏:「渋谷ならでは」というのはあまり考えなくてもいいかなと思っています。渋谷区って東京の縮図みたいなエリアなんですよね。真ん中に代々木公園と明治神宮があって、南の端には天現寺、恵比寿、広尾がある。北の端には笹塚、本町。それらを比べると、広尾と笹塚は全然違うでしょ。幡ヶ谷と西原も、近いけど通りを1本挟んだだけで全然違う。上原と松濤も近いけど違うし、恵比寿と代官山だって隣接してるけどまた違う。

 これだけ街によって表情の違う地域が集まっているエリアって他にはありません。もっと言うと、大金持ちな人もいれば、そうでない人もいて、少子高齢化の問題も、人権の問題だって抱えているかもしれない。そういう意味で本当に街にグラデーションがあるんです。だから社会課題が大きいものも、小さいものもあって、まさに都市の縮図なんです。そこにフィットするテクノロジーやアイデアなら、どんなことでもウェルカムだなと思うんですね。

——長谷部区長が考える渋谷区のニューノーマルとは、どのようなものでしょうか。

長谷部氏:「もっとインターネットに近くなっていくこと」でしょうね。言い換えると「最先端の田舎暮らし」みたいなことじゃないかな。おじいちゃん、おばあちゃんがUberEatsを頼むなんてことも、こういう状況でなければ起こり得なかったと思います。

 
 

 リアルでは互いを隔てる壁ができて、いろいろなことがつながらなくなってくるように見えるけど、インターネットはつながれるツール。それがうまく活用されるといいと思うし、それでどう世の中が変容していくかですよね。コミュニティの単位が変わるんじゃないかなとも思います。町会っていう小さい単位がもう少し広がるかもしれない。

 たとえば渋谷区では、2017年から「渋谷おとなりサンデー」という、1年に1度、近所の人たちと交流する取り組みを始めています。もともとはパリで独居老人が孤独死してしまったことがきっかけで、近所同士が知り合いだったらそんなことはなかったはず、という思いから生まれた活動なんですが、渋谷区では、ただ朝一緒に掃除したり、みんなでお昼ご飯を食べたり、公園でおじいちゃんたちが麻雀したりということをしています。普段なら公園では火を使えないけれど、町会が主催することでバーベキューもできるようにしたり。

 それが2020年の今年はオンライン上でのイベントに変わったことで面白い成果がありました。このイベントで本町の人がやっていることと、富ヶ谷の人がやっていること、お互いに全然知らなかったやり方があって、それを情報交換できたりと、いろいろな気付きがありました。リアルのコミュニティじゃなくてネットのコミュニティだからこそ、そういうことが生まれたんです。今後、再びリアルでできるようになったときに、今年のやり方も含めて、取り組み方が大きく変わってくると思います。

——このプロジェクト以外にも、渋谷区として取り組もうとしている新しい施策があれば教えてください。

田坂氏:環境整備をしたいと思っています。不動産や銀行や弁護士など、シリコンバレーにはあるような環境を渋谷区にも作れたらなと。あとは海外の投資家や優秀な人たちに渋谷区に来てもらうためにも、海外向けのアピールもしていこうと思っています。

——新型コロナウイルスの影響で、海外との付き合い方も変わりそうですよね。

田坂氏:今、実際に海外の人とも話をしているのですが、まずどんなこともオンラインでできるようにする、というのが1つ。それと、これは民間の方の協力も必要だと思うのですが、海外企業の事業を代行して国内で展開する、みたいなケースも増えてくるんじゃないかという話も出てきています。渋谷区がそのハブとして動くことができればいいなと考えているところです。


——今回のプロジェクトに参加するかどうか検討しているスタートアップ企業や大学、研究機関も多いかと思います。最後に、そうした人たちに向けて何かアドバイスをいただければ。

長谷部氏:渋谷区には基本構想や計画というものがあるので、それに紐づいた提案だと受け入れられやすいかもしれません。その計画を見てもらうと、この分野にこういう予算をつけて進もうとしているんだな、というのがわかるはずなので、それを参考に提案していただけると、こちらとしても受け取りやすいですね。ただ、まずはぜひ一度応募してみてください。

田坂氏:プロジェクトの協賛・協力企業はこれからも増えると思います。今はベンチャーキャピタルにメンターとして入っていただいていますが、今後は地元の企業にも参加してもらえるところが増えるのではないかと思います。あまり気負わずに、まずは相談してほしいですね。

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