Intelは米国時間7月8日、最新データ転送規格「Thunderbolt 4」の仕様を発表した。この規格が持つ幅広い互換性がPC業界全体に利益をもたらすとしている。
同社は1月に開催されたCES 2020でThunderbolt 4を初めて発表。これについて、「最も完成された、将来性のあるUSB Type-C規格」と表現している。
Thunderbolt 4の最大データ転送速度は現行の「Thunderbolt 3」と同じく40Gbpsだが、PCIeを利用したデータ通信速度は32Gbpsと倍増した。映像通信についても4Kディスプレイの同時接続数が1台から2台に倍増し、Thunderbolt 3では対応していなかった8Kディスプレイへの接続にも対応。ストレージのデータ転送速度は最大3000MBpsまで増加した。またThunderbolt 4はUSBの次世代規格である「USB4」の仕様に準拠している。
Thunderbolt 4は従前のUSBやThunderboltシリーズへの互換性を持っていることから、PCの接続環境をシンプルにすることができる。雑多なUSBポートをThunderbolt 4対応のポートに置き換えることができるというわけだ。同じ事はケーブルにもいえる。Thunderbolt 4対応のケーブルは規格の異なるUSBケーブルの代用品として使える。
Intelはコードネーム「Tiger Lake」という次世代ノートPC用のCPUに、初めてThunderbolt 4規格を統合する予定だ。
Appleの広報担当者は、独自の新世代CPU「Appleシリコン」を搭載する今後の「Mac」でThunderboltを採用することを電子メールで明らかにした。「10年以上前から、AppleはThunderboltシリーズの設計と開発でIntelと協力してきた。現在、ThunderboltがあらゆるMacにもたらす速度と柔軟性を顧客は感じている」とした上で、「今後もこれ(Thunderbolt)をAppleシリコン搭載Macで採用していく」と述べた。今後Macは従来採用していたIntelのCPUからAppleシリコンに移行することになるが、AppleはCPUが変わっても接続規格についてはIntelと協調していく姿勢を示した。
レノボでPC&スマート機器の商用ポートフォリオを担当するバイスプレジデント、Jerry Paradise氏は、Thunderboltがユーザーの生産性を向上させると述べ、同規格への期待を示した。
Intelは開発者向けに、Thunderbolt 4対応製品の開発キットと認証テストの提供を開始した。Thunderbolt 4のコントローラーとして、 「Intel 8000」シリーズも2020年内にPCや周辺機器のメーカーに提供する予定だ。Thunderbolt 4対応の接続端子を採用した製品は2020年内に発売される予定で、これにはIntelのイノベーションプログラム「Project Athena」に準拠するノートPCも含まれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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