ランやバイクなどの運動時にスマートウォッチを装着していると、計測されたデータから消費カロリーのような活動量を計算してくれる。ただし、心拍数や移動距離、時間から単純に推定する数値は誤差が大きい。また、心拍数の計測には多くの電力が必要だそうだ。さらに、運動の種類ごとに計算方法は異なり、たとえば車いす利用者の活動量を計る方法も提案されている。
これに対し、Appleは自転車で運動する際の活動量をより正確に推定する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月30日に「CALCULATING AN ESTIMATE OF WIND RESISTANCE EXPERIENCED BY A CYCLIST」(特許番号「US 10,699,594 B2」)として登録された。出願日は2016年9月14日、公開日は2017年3月16日(公開特許番号「US 2017/0074897 A1」)。
この特許は、スマートウォッチやアクティビティトラッカーなどのウェアラブルデバイスを利用し、自転車で走る人の活動量を計算する技術に関するもの。特に、何らかの方法で走行中の風向と風速を調べ、そこから求めた空気抵抗を活動量の推定に利用して精度を高める。
計測するデータは位置と速さ、進行方向、高度で、これらのデータから走行している道の傾斜角も計算する。そして、空気抵抗と転がり抵抗、傾斜に応じた負荷といったデータを参照することで、最終的な活動量を求めるという。
推定する活動量の精度をスマートウォッチだけで高められるため、高価な専用計測デバイスを自転車に取り付ける必要がなくなるとしている。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス