電子チケット発券システムを展開するplaygroundは6月3日、紙のQRコードと生体認証によって、不正転売や偽造による不正入場を検知できる「MOALA QR」の提供を開始したと発表した。
MOALA QRは、一般的なQRコードに独自開発の生体認証技術を組み合わせた独自入場認証システム。同社によれば、世界で初めて「非接触」「紙チケット」「オフライン」「不正防止」の要件を満たし、専用端末を必要としないことが特徴で、不正検知率は99%におよぶという。不正が行われた場合にはアラートを鳴らして不正入場を知らせることができる。
事前に配布するQRコードと顔認証による非接触認証が可能。QRコードは専用ページに顔情報を登録することで発行され、イベント当日はQRコードを印刷した紙やスクリーンショット画像で認証する。導入するイベント運営側も、入場ゲートにiOSアプリをインストールしたiPad/iPhoneを設置するだけで入場管理ができるという。オフラインでも稼働するため、通信環境の設備は不要とのこと。
認証機能については、サーバー、入場管理端末、ユーザー端末、QRコードなど、いずれの媒体にも生体情報を保持せずに機能するという。そのため、従来の生体認証技術に内在していた情報漏えいリスクを気にせず運用可能としている。
現在、スポーツ・エンタメイベントや集客施設では、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、チケットや現金の受け渡しを最小限にする非接触な認証技術が求められている。また、近年社会問題化していたチケットの不正転売や偽造は、withコロナ時代の入場者数制限と買占めによって、あらゆる興行で対応しなければならない問題へ発展すると予想されると同社では説明。
これまでもチケットの不正転売や偽造対策をするため、スマートフォンを利用した電子チケットや生体認証の導入が進められてきた。しかし、従来型の電子チケットには「スマホを持ってない人が使えない」「通信環境が必要」という課題があり、生体認証には「設営負荷の高さ」「生体情報の漏えいリスク」という課題があったと指摘する。
そこで同社は、これらの課題を解決し、スマートフォンを持っていない高齢者や若年層にも対応が必要なスポーツ/遊戯施設や、安定した通信環境の整備が困難な野外フェスや大型ドーム公演、地下イベントなど、紙チケットを使わざるを得なかったイベントにおいても、非接触で不正転売や偽造が抑止できるMOALA QRを開発したという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス